GI値とは|ダイエット効率を高めるために知っておきたい数値


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GI値とは|ダイエット効率を高めるために知っておきたい数値

GI値とはグリセミック・インデックス(Glycemic Index)の略で、食品ごとの血糖値の上昇率を示した数値です。

ダイエット視点で言うと、「その食べ物は太りやすいのか、太りにくいのかどうかを表す数値」です。GI値が高い食品は太りやすいとか、逆にGI値が低い食品はダイエットに良いとか、そのような話を聞いたことがあるかもしれません。

ただ最初にお伝えしておきたいのは、GI値が低い食品を食べれば痩せる、というわけではないということです。

後ほど改めてお伝えしますが、GI値とはあくまで血糖値の上昇率を示すもので、痩せるか痩せないかは少し話が違ってきます。いくらGI値が低いからといって、食べ過ぎてしまうと太ってしまうケースもあります。

そこでこのページではGI値とは何かについて、「ダイエット」という視点でお伝えしていきます。GI値を正しく理解すればダイエット効率が上がります。それではさっそく見ていきましょう。

 

目次

1.GI値とは
 1-1.GI値の定義
 1-2.GI値の測定方法
 1-3.体が太るメカニズム
 1-4.インスリンの働き
 1-5.血糖値が急上昇した場合
2.GI値が高い食品・GI値が低い食品
 2-1.GI値60以上は高GI食品
 2-2.GI値が高い食品・GI値が低い食品簡易一覧
3.GI値における誤解しがちな3つのこと
 3-1.「高GI食品=悪」ではない
 3-2.カロリーオーバーには注意
 3-3.果物は低GIだけど中性脂肪になりやすい
 
3-4.GI値は同じ食品でも異なるケースがある
4.まとめ

 

1.GI値とは

改めてGI値について見ていきましょう。

1-1.GI値の定義

GI値について検索してみると、次のように説明されています。

グリセミック指数 (glycemic index) とは、食品ごとの血糖値の上昇度合いを間接的に表現する数値である。(中略)グリセミック・インデックスまたはGI値とも表現される。グリセミック指数|Wikipedia

ただこれだけだとよく分かりませんよね。もう少しわかりやすく言うと、

ある食品を食べた時の血糖値の上昇率を数値化したもの

です。

1-2.GI値の測定方法

GI値は、どんな方法で出された数字なのか?測定する機関や方法によるのですが、次のような説明がされています。

食品の炭水化物50グラムを摂取した際の血糖値上昇の度合いを、ブドウ糖(グルコース)を100とした場合の相対値で表す。グリセミック指数|Wikipedia

分かりやすく、砂糖にたとえてみましょう。

砂糖を食べて30分後の血糖値の上昇率を、仮に100とします。それに比べて、ご飯やパン、野菜や豆類など、他の食品を食べた時はどのくらい血糖値が上昇するのかを計ったものです。

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GI値が高い食品を食べると血糖値が早く上昇し、GI値が低い食品は食べても血糖値はゆるやかに上昇します(GI値の高い/低いについては後述します)。

GI値が高い(高GI)=血糖値が早く上昇する

GI値が低い(低GI)=血糖値が上昇しにくい

では、このGI値がどのようにダイエットに影響してくるのか?まずは体が太るメカニズムからお改めてお伝えします。

1-3.体が太るメカニズム

私たちは炭水化物(糖質)を食べると、血液内の「ブドウ糖」が増えます。

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この状態を「血糖値が上昇する」とか「血糖値が高くなる」と言います。血糖値が上昇すると、ブドウ糖が詰まって血栓になったり、血管を傷つけたりすることがあります。

そこで体(すい臓)はインスリンという物質を分泌して、血液内のブドウ糖を減らそうとします。

1-4.インスリンの働き

インスリンには血液内のブドウ糖を筋肉や肝臓に運んで、血糖値を下げようとする働きがあります。

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上記はイメージですが、筋肉や肝臓はブドウ糖をためておく「貯蔵庫」のようなものです。筋肉内に運ばれたブドウ糖は私たちの運動エネルギーになります。

1-5.血糖値が急上昇した場合

血糖値が急上昇した場合、血糖値を下げようとインスリンが大量に分泌されます。するとブドウ糖も大量に貯蔵庫に運ばれて、やがて貯蔵庫からブドウ糖があふれます。

糖質が脂肪に変わる

そしてあふれたブドウ糖が脂肪細胞に送られ、脂肪が蓄積されていきます。

、、、以上が太るメカニズムです。

GI値が高い食品を食べると血糖値が急激に上昇してしまいます。それが脂肪蓄積の原因となるため、GI値の低い食品がダイエットに効果的だと言われています。

では、どんな食品がGI値が高いのか?またどんな食品がGI値が低いのか?次でお伝えします。

 

2.GI値が高い食品・GI値が低い食品

まず、高い、低いの基準を明確にしておきましょう。

2-1.GI値60以上は高GI食品

研究機関や伝える人によるのですが、GI値が60以上あるものはGI値が高いと言われています。逆に、それ以下は低GI食品です。

GI値が高い=GI値60以上 ⇒脂肪になりやすい

GI値が低い=GI値60以下 ⇒ 脂肪になりにくい

ダイエットという視点で見た場合、食事をするなら出来る限りGI値が60以下(理想は50以下)の食品を食べることをオススメしています。

では次に、GI値が高い食品、低い食品を紹介していきます。

2-2.GI値が高い食品・GI値が低い食品簡易一覧

GI値が高い食品、低い食品を紹介していきますが、ここでは簡易的に紹介するということで、単純に「高い」「低い」で食品を分けています。

ダイエット効率を高めるにあたって、具体的なGI値の数値を覚える必要はありません(その理由も後ほどお伝えします)。なんとなく「この食品はGI値が高い、低い」というのを頭に入れておけば大丈夫です。

ということを踏まえた上で、以下、参考にしてみてください。

GI1 GI2 GI3 GI4

 

※参考書籍…「【超実践版】低インシュリンダイエット」永田孝行[監修](永岡書店)(2005年)

 

3.GI値における誤解しがちな4つのこと

このようにGI値についてお伝えすると、「じゃあ、GI値が高い食品を食べなければダイエット出来るんだ!」と思うかもしれませんが、必ずしもそうとは言えません。

GI値が高い食品を絶対に食べたらダメというわけではありませんし、逆に、GI値が低い食品だったらどれだけ食べてもOK、というわけでもありません。

そこでこの章では、GI値についてつい誤解してしまいがちなことを4つ、お伝えしています。

1.「GI値が高い=悪」ではない
2.カロリーオーバーには注意
3.果物はGI値が低いが中性脂肪になりやすい
4.GI値は同じ食品でも異なるケースがある

一つずつお伝えしていきますので、理解を深めていきましょう。

3-1.「GI値が高い=悪」ではない

GI値が高い食品は血糖値が上昇しやすいのですが、決して悪い食べ物というわけではありません。

というのも、私たちはダイエットをするにあたって「糖質制限(コントロール)」と「週に2回以上の筋トレ」をオススメしていますが、その筋トレ時にGI値が高い食品を食べることでダイエット効果が高まるからです。

GI値が高い食品(アンパンやチョコレートなど)は血糖値が上昇するスピードが早く、それは言い換えればすぐに運動エネルギーになりやすい、ということです。

GI値が高い
=血糖値が上昇しやすい
=すぐに運動エネルギーになりやすい
補足:血糖値が上昇すると、インスリンによって血液内のブドウ糖が筋肉にも運ばれます。そしてその筋肉に運ばれたブドウ糖が、私たちの運動エネルギーになります。

筋トレをするときには運動エネルギーが必要です。運動エネルギーがないと力がうまく出せず、筋トレの効率が落ちてしまいます。なので、GI値が高い食品を食べてエネルギーを補充することは、筋トレ効率を上げることにつながります。

結果、筋肉がつきやすくなり、基礎代謝が上がりやすくなります。基礎代謝が上がれば1日に消費できるカロリー量が増えるので、痩せにくく太りにくいカラダになります。

GI値が高い食品は、摂取タイミングによってはダイエット効率を高めることが出来るので、「食べてはいけないもの!」と誤解しないようにしましょう。

3-2.カロリーオーバーには注意

GI値が低い食品は太りにくいからといって、制限なく食べても良いわけではありません。暴飲暴食を繰り返していたら摂取カロリーが多くなり、太る原因となってしまいます。

なぜ摂取カロリーが多くなると太るのか?

先ほど、太ってしまう主な原因は、炭水化物(糖質)の過剰摂取による血糖値の上昇だとお伝えしました。ただ、脂質やタンパク質であっても、摂り過ぎると栄養過多となります。必要以上の栄養素は体内で処理しきれず、めぐりめぐって中性脂肪となってしまいます(※)。

GI値が低いからと言って、食べ過ぎてしまえば結局太る原因止まります。なので、暴飲暴食は避けるようにしましょう。

※中性脂肪1kg=約7200カロリーです。

3-3.果物はGI値が低いが中性脂肪になりやすい

果物は基本的にGI値が低いのですが、中性脂肪になりやすいという特徴があります。

果物に含まれる糖質は主に「果糖」で、果糖は摂っても血糖値が上がらないという性質があります。また、果糖はすぐに運動エネルギーになるという性質もあるのですが、摂り過ぎると中性脂肪の増加につながる、という性質持ち合わせています。

果物を食べた後にすぐ運動・筋トレすればエネルギーは消費されますが、たくさん食べたり、夜寝る前に食べたりするとエネルギーとして消費しきれず、中性脂肪増加の原因となってしまいます。

果物はダイエットの味方というイメージが強いですが、食べ過ぎは太る原因となるので注意しましょう。

3-4.GI値は同じ食品でも異なるケースがある

GI値は同じ食品であっても、産地や栽培方法、また個体や食事方法によっても変わってきます。また、このGI値というのは国が厳密に定めているわけではなく、出所によってまちまちです。

なので、例えば「バナナは55」だとしても、出所や物によっては違う可能性もあります。先ほど、具体的なGI値の数値を覚える必要はないとお伝えしましたが、このためです。

神経質にならずに「この食品はGI値が高い、低い」といった参考程度にするようにしておきましょう。

 

4.まとめ

以上、GI値とは何かについて、ダイエット視点でお伝えしました。

繰り返しになりますが、GI値が高いからといって絶対に食べたらいけないわけではなく、またGI値が低いからといってバクバク食べると太る原因になります。

ダイエットの基本は「糖質制限(コントロール)」と「週に2回以上の筋トレ」です。

その基本を踏まえた上で、食事の際はGI値が高いものは避けるようにし、GI値が低いものを食べるようにする、、、というのがダイエット効率を高めるためのポイントとなります。

ただ、あまり神経質になると食べるものが減ってストレスが溜まるだけです。なので、

「ご飯食べたいけど、白米はGI値が高いから五穀米にしようかな」

といったような軽い気持ちでGI値を意識してみることから始めてみてください。

 

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