
From:堀 啓将
こんにちは堀です。
ヒトの筋肉は、機能の違う2種類の筋繊維から出来ていることをご存知でしょうか?
ひとつは遅筋(ちきん)と呼ばれ、長時間同じ程度の力を発揮し続けることができます。
また、遅筋は年をとっても衰えにくい筋肉でもあります。
もうひとつは速筋(そっきん)といい、収縮スピードが速くて瞬時に大きな力を発揮できます。
ただ収縮を保ちにくく、疲れやすいという特徴があります。
さらに速筋は、老化が早く、20歳前後から急速に衰えてしまうのです。
速筋を鍛えるには、レジスタンス運動(負荷をかけて繰り返し行う運動)が適していますよ。
レジスタンス運動を継続することで、筋繊維の破壊と修復を繰り返して徐々に筋肉を増やします。
筋肉を増やして基礎代謝がアップすることで、太りにくい身体に近づきます。
でも実は、速筋を増やす方法は筋トレだけではありません。
ちくわをはじめ、かまぼこ、かにかまを食べることでも速筋は増やせるのです。
その理由は、、、
ちくわなどの練り物の原材料として使われる「スケソウダラの身」にあります。
たんぱく質は筋肉の素でもある栄養素であり、特に速筋に含まれるたんぱく質は“速筋たんぱく”とも呼ばれています。
そして、スケソウダラの身は水分を除くと、ほとんどが速筋たんぱくなのです。
スケソウダラの身に含まれるたんぱく質が速筋を増加させる効果については、愛媛大学で行われた研究で明らかになりました。(※1)
ラットを用いたこの実験では、スケソウダラの身をラットに8週間食べさせ、速筋であるふくらはぎの筋肉量の変化を測定しました。
なおこの実験では、スケソウダラによる速筋増加の効果を見るために、コントロール食を摂取したラットの他、乳製品(ホエイ)、大豆、卵白、マグロをそれぞれ与えたラットも用意しました。
その結果、基準となるコントロール食を食べたラットに比べ、スケソウダラの身を食べたラットのふくらはぎの筋肉量は1.4倍増えたことが分かりました。
また乳製品(ホエイ)、大豆、卵白、マグロといった他の食品でたんぱく質を摂取したラットは、コントロール食に比べてふくらはぎの筋肉量はほぼ変化しない、あるいは減少するという結果でした。
さらに、65歳以上のシニアを対象にしたヒト臨床試験でも、スケソウダラに身が筋肉量を増やす効果が見られました。(※2)
65歳以上の女性19名に、3か月間毎日スケソウダラのミンチ(1日1回30g/たんぱく質含有量4.5g)を食べてもらいました。
試験期間は、スケソウダラのミンチを食べてもらう以外、被験者は特別な運動はしませんでした。
それでも、19名の被験者のうち15名で筋肉量の増加が確認されました。
ちなみに、ちくわの原材料となるスケソウダラのすり身の糖質量、脂質量はそれぞれ100g当たり6.6g、0.2g、たんぱく質は17.5g含まれています。
ちくわの場合、100g当たり糖質が13.5g、脂質2.0g、たんぱく質12.2gです。
糖質量は特別低くいわけではありませんが、低脂質で高たんぱくな食材といえます。
ちくわはコンビニでも手軽に買うことができるので、トレーニング前後の栄養補給やおやつ代わりにもピッタリですよ。
いつもこのメルマガをお読みくださっているあなたは、たんぱく質の摂取量には気を使っているかもしれませんね。
たんぱく質の摂り方のポイントとしては、1日の推奨量を1食でまとめて摂るのではなく、3食の食事と間食でバランスよく摂ることです。
現代人の食事では、夕食に過剰摂取して朝食では十分なたんぱく質を摂れていない傾向にあります。
今日ご紹介した、ちくわをはじめスケソウダラを使った練り物は、調理しなくても手軽に食べることが出来る食品です。
朝は忙しくてゆっくり食事ができないという場合にも食べやすいかと思います。
ぜひ、あなたの日々の食事に取り入れてみてはいかがでしょうか。
それでは、また。
ありがとうございました。
–堀 啓将
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<出典>
(※1)
Mizuki Morisasa1 , Naoko Goto-Inoue1* , Tomohiko Sato1 , Kazumasa Machida1 , Mina Fujitani2 , Taro Kishida2 , Kenji Uchida3 , and Tsukasa Mori1,Investigation of the Lipid Changes That Occur in Hypertrophic Muscle due to Fish Protein-feeding Using Mass Spectrometry Imaging, Journal of Oleo Science
Copyright ©2019 by Japan Oil Chemists`Society
doi:10.5650/jos.ess18193 J.Oleo Sci.68,(2)141-148(2019)
(※2)
内田 健志ら「スケトウダラタンパク質の筋量増加作用に関する有効投与量の検討 」 アミノ酸学会 第11回学術集会(2017年)
日本水産(株) 報告
e-ヘルスネット【情報提供】(厚生労働省)
骨格筋(こっかくきん)
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-026.html
文部科学省 日本食品標準成分表2015年版(七訂)
http://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/1365419.htm
(参照 2020年6月26日)