From:吉田 将司
こんにちは、吉田です。
9月も中旬に差し掛かり最近は暑さも和らいで過ごしやすい日が増えたように感じます。
「スポーツの秋」といわれるように、最近はランニングやウォーキングをしている人もちらほら見かけるようになりました。
さて、今日のメルマガではスポーツの秋にちなんで、準備運動にまつわる豆知識をご紹介します。
ケガを予防するため、またパフォーマンスを上げるために運動前の準備運動は重要です。
しかし、準備運動に含まれているある動作をしてしまうと、筋肥大の効果を減少させてしまう効果があるんです!
あなたもきっとやったことがあるその動作とは…
『静的ストレッチ』と呼ばれるものです。
静的ストレッチは、筋肉をゆっくりと伸ばして可動域を広げるストレッチのことです。
例えば
・伸脚(しんきゃく):片脚の膝を曲げながら、もう一方の脚を伸ばして太ももや膝裏を伸ばす動作
・アキレス腱伸ばし:片足を前に出し重心を乗せ、後ろの足のかかとを地面につけてふくらはぎ周辺を伸ばす動作
これらのように反動をつけず筋肉を伸ばすことを静的ストレッチと言います。
この静的ストレッチが、筋肥大を減少させるという研究結果があるんです!
これはブラジルのカンピーナス州立大学で行われた研究で明らかになったもので、被験者を筋トレ前に
①静的ストレッチをしないグループ
②静的ストレッチをするグループ
に分け、週2回の筋トレを10週間続けてもらいました。※1
その結果、
・筋トレ前に静的ストレッチをしたグループはしなかったグループに比べて、約15~20%ほどトレーニングボリューム(セット数×回数×負荷)が下がった
・静的ストレッチをしなかったグループでは実験開始前から比べて12.7%の筋肥大が見られたが、静的ストレッチをしたグループでは7.4%しか筋肥大が見られなかった
ということが分かりました。
パフォーマンスを上げるために静的ストレッチを行っていたはずなのに、運動能力の低下や筋肥大を阻害する効果があるとは驚きましたね。
しかし、筋トレ前にストレッチをしない方が良いわけではありません。
運動前には体を温めて筋肉をほぐすために動きながら行う「動的ストレッチ」を行うと良いでしょう。
例えば、
・肩回し:両腕を前後に大きく円を描くように旋回させる動作
・前屈:立った状態から股関節から上体を倒し、膝を曲げずにバウンドしながら太もも裏を伸ばす動作
といった感じで、体を動かしながら筋肉を伸ばすストレッチが効果的です。
また、静的ストレッチで紹介した伸脚やアキレス腱伸ばしも、小刻みに動かしながら伸ばすことで動的ストレッチと同じような効果が得られるでしょう。
ちなみに、静的ストレッチを筋トレ直後に行うのは効果的です。
筋トレによって筋線維が損傷し、周囲を覆っている筋膜が固まりやすくなります。
そこで筋トレ後に静的ストレッチを行い、ゆっくり筋肉を伸ばしながら血流を良くして酸素を身体中に行き渡らせることで、損傷した筋肉の早期修復を促します。
また、いきなり思いっきり動的ストレッチをすると筋肉や腱を痛める可能性があります。
そのため最初は静的ストレッチでゆっくり伸ばして、筋肉がほぐれてきたら動的ストレッチに徐々に移っていくと思わぬケガを予防できるでしょう。
というわけで今回は、準備運動で控えた方がいいストレッチについて解説しました。
ぜひ目的に応じてストレッチを使い分けて、効率良くボディメイクしていきましょう。
もしあなたが24/7Workoutに通っている場合は、トレーナーさんに相談したうえで取り組んでみてくださいね。
それでは、また。
ありがとうございました。
-吉田 将司
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【引用・参考文献】
※1 JUNIOR, Roberto Moriggi, et al. Effect of the flexibility training performed immediately before resistance training on muscle hypertrophy, maximum strength and flexibility. European journal of applied physiology, 2017, 117: 767-774.