From:堀 啓将
こんにちは堀です。
日本の食文化といえば「和食」ですよね。
和食が2013年にユネスコ無形文化遺産に登録されたことをあなたもご存知かもしれません。
そして世界で認められた和食では、日本の伝統的な食品がよく使われています。
その1つに、「日本古来のスーパーフード」といわれる食品があります。
良質なたんぱく質が豊富で、カルシウム、マグネシウム、ミネラル、ビタミン類までバランスよく含まれているその食品とは、、、
『高野豆腐』です。
高野豆腐は、100g当たりのたんぱく質が50.5gあります。*1
牛フィレ肉の赤身が100g当たり19.1gなので、高野豆腐がいかに多くのたんぱく質を含んでいるのか、お分かりになると思います。
そして、高野豆腐に含まれるたんぱく質の一種に「レジストたんぱく質」というものがあります。
レジストたんぱく質は、コレステロールの調整、食後の中性脂肪上昇を抑制する作用があることが研究によって明らかにされています。*2
ただ、高野豆腐もきぬ豆腐や木綿豆腐などと同じく、原料は同じ大豆です。
にもかかわらず、他の大豆製品に比べて高野豆腐はレジストたんぱく質が多く含まれています。
なぜ、高野豆腐はレジストたんぱく質が豊富なのでしょうか?
その秘密は、高野豆腐を作る工程にありました。
製造工程を簡単に説明すると、次の4ステップに分けられます。
①圧縮成型で高野豆腐の元となる豆腐を形成する
↓
②形成された豆腐を緩慢凍結(ゆっくり時間をかけて凍らせる方法)する
↓
③低温熟成させる
↓
④乾燥させる
そして、レジストたんぱく質は①~③の間でそれぞれ形成されていくことも研究結果で示されています。
①の圧縮成型では、一般的な豆腐よりも強いプレス圧をかけて作られます。
そのプレス圧が強いことにより、たんぱく質同士の結びつきが強くなることで、レジストたんぱく質が形成されるのです。
また、一般的にゆっくり時間をかけて凍結すればするほど、氷結晶(凍結によってできる氷の結晶)が大きくなるといわれています。
高野豆腐は緩慢凍結をするので、大きな氷結晶が作られ、それによりたんぱく質が押しつぶされる形で結合が強まり、レジストたんぱく質の形成につながるそうです。
さらに、低温熟成によって氷結晶がますます大きく成長することで、より多くのレジストたんぱく質が形成されます。
しかも高野豆腐は、栄養価が高いことに加え糖質量が1.7g(100g当たり)と低い食品でもあります。
製造工程の中でたくさんの水を使って洗うために糖質が抜け落ちると考えられます。
そして一度凍らせてから乾燥させる工程で含有成分をギュッと凝縮することで、栄養価の高い食品に生まれ変わるのです。
一度水で戻せば、煮る、炒める、揚げると、さまざまな調理方法で料理に活用することができますし、もともと保存食として活用されていたので日持ちの良い食品でもあります。
ぜひあなたも、ダイエット中の食事管理に高野豆腐を活用してみてはいかがでしょうか。
それでは、また。
ありがとうございました。
–堀 啓将
<出典>
*1 「日本食品標準成分表2020年版(七訂)」(文部科学省)
https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/mext_01110.html
(参照 2024年3月14日)
*2 ISHIGURO, Takahiro, et al. Kori—tofu Making Processes Increase High—molecular—weight Fraction (HMF). 薬理と治療, 2016, 44.4: 613-616.