
From:井出 夕子
こんにちは、井出です。
日常的に「ダイエット」という言葉にすぐに目がいってしまいます。
人は自分が見たいもの、普段から意識していることの関連情報に自然と目に留まりやすくなる傾向があります。
そして、それに関する情報が無意識に自分の手元に集まるようになる現象を「カラーバス効果」というそうです。
そんなカラーバス効果のせいなのか、ダイエットに関する「意外な」情報を見つけました。
大学健康科学センターが長期的に行った調査結果とのことで信憑性は高いと考えられるのですが…
それは、「あるもの」を毎日飲んでいる人は肥満のリスクが通常と比べて約2倍にもなるというショッキングな結果でした。
何が「意外」だったかというとその「あるもの」が高糖質・高脂質・高カロリーといったいかにも身体に悪そうなものではなかった、ということです。
むしろ健康的な印象さえありました。
その「あるもの」とは…カロリーゼロ飲料です。
ダイエットコーラやソーダ、ジュース等の清涼飲料水ですね。
テキサス大学ヘルスサイエンスセンターの調査によると、毎日ダイエットソーダを飲んだ人のメタボリック症候群の合併リスクが36%上がり、II型糖尿病のリスクが67%も上がることが分かりました。※1
また、フランスの研究者が行なった調査でも、カロリーゼロのダイエットソーダを1週間に500ml飲んだ人は、カロリーありのダイエットソーダを同量飲んだ人より、糖尿病のリスクが15%も高くなるという結果が出ています。※2
カロリーゼロにも関わらず、なぜ肥満になったり糖尿病になったりするのでしょうか?
それには以下の理由が考えられます。
①脳への影響
砂糖と比べると使用の歴史が浅い人工甘味料には、実はまだ分かっていないことが多いのです。
人工甘味料が脳の報酬系に作用しているのではないか、という説があります。※1
報酬系とは、欲求が満たされたときや、満たされるとわかったときに活性化し、気持ちよさ、幸福感などを引き起こす脳内のシステムのことです。
そのように「満足感」「幸福感」を司るシステムに働きかけて強い甘味への依存度を上げ、食欲を増進させているのではないか、というわけです。
飲んでいるものはカロリーゼロ飲料でも、それが引き金となり他のカロリーのある食べ物への欲求を誘発してしまう、ということなのですね。
②腸内細菌への影響
人工甘味料を混ぜた飲料水をマウスに11週間摂取させた後、ブドウ糖を与えて血糖コントロール能力を測ると、耐糖能異常(血糖異常・糖尿病予備軍)が見られたそうです。※3
しかし、抗生物質で腸内細菌を除去すると耐糖能異常が生じませんでした。
このことにより人工甘味料摂取で腸内細菌バランスが崩れ、血糖値が高くなることが分かりました。
血糖値が上がると膵臓から血糖値を下げるためにインスリンというホルモンが分泌されます。
このインスリンには血中の糖分を脂肪に換えて体に貯め込む働きがあり、結果肥満となってしまうのです。
③カロリー表示の落とし穴
「カロリーゼロ」と謳(うた)われているものにも、実はカロリーがあるのです。
カロリーに関する表示は、厚生労働省の定める「栄養表示基準」によって内容や方法が決められています。
清涼飲料水は100ml中5kcal未満であれば「カロリーゼロ」「ノンカロリー」「カロリーレス」と表示することができます。
また、100mlあたり20kcal未満であれば「ひかえめ」「ライト」と表示することができるのです。
そんなわけで実はカロリーゼロではない飲料水をがぶがぶ飲み続けると、当然大量のカロリーを無意識に摂取してしまうのですね。
まだまだ暑いこの時期、さっぱり冷たい飲み物はいつもより美味しく感じます。
そんな時に「カロリーゼロ」の表示があると安心して手を伸ばしてしまい、ついつい大量に飲んでしまいそうになることもあるかもしれません。
しかし、今日お伝えしたような懸念点やカロリーゼロ飲料に含まれる人工甘味料にはまだ分かっていないことがたくさんあるのです。
お菓子を目の前にした時は自制心が働いても、喉が渇いている時は衝動的に飲み物を飲んでしまいがちです。
やはり、ダイエット中の飲み物はお水や無糖のお茶、そしてプロテインなどが安全なのではないかなと思いました。
良かれと思って口にしたものが、実はダイエットや健康に良くないものだとしたら、努力が台無しになってしまうこともあるので、充分に気をつけていきたいですね。
それでは、また。
ありがとうございました。
–井出 夕子
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【引用・参考文献】
※1 NETTLETON, Jennifer A., et al. Diet soda intake and risk of incident metabolic syndrome and type 2 diabetes in the Multi-Ethnic Study of Atherosclerosis (MESA). Diabetes care, 2009, 32.4: 688-694.
※2 FAGHERAZZI, Guy, et al. Consumption of artificially and sugar-sweetened beverages and incident type 2 diabetes in the Etude Epidemiologique aupres des femmes de la Mutuelle Generale de l’Education Nationale–European Prospective Investigation into Cancer and Nutrition cohort. The American journal of clinical nutrition, 2013, 97.3: 517-523.
※3 八幡紋子. 人工甘味料が引き起こす血糖コントロール不全. ファルマシア, 2015, 51.6: 582-582.
FOWLER, Sharon P., et al. Fueling the obesity epidemic? Artificially sweetened beverage use and long‐term weight gain. Obesity, 2008, 16.8: 1894-1900.