From:井出 夕子
こんにちは、井出です。
あなたも何度も聞いていることだと思うのですが、ボディメイクやダイエットにおいてかなり大切な栄養素が「たんぱく質」です。
三大栄養素(脂質・糖質・たんぱく質)は全て重要ではありますが、私たちの筋肉をはじめ、爪や髪、肌や内臓に至るまで全てたんぱく質でできているからです。
また、脂質や糖質はそこまで気を付けなくても普通の食事で充分な量を摂ることが可能(むしろ摂り過ぎてしまいがち)ですが、たんぱく質は意識して摂らないと不足しがちになります。
事実、国民健康・栄養調査によってたんぱく質摂取量が減少傾向にあるということが判っています。※1
そんなわけでダイエット面でも健康面でも「たんぱく質は大事」と言われ、積極的な摂取が推奨されるんですね。
たんぱく質補給の強い味方となるのがあなたもおなじみ「プロテイン」です。
「特別なサプリは使っていない」と言う人もプロテインは普通に飲んでいる、というくらい「ボディメイクを考えるならプロテインを飲むのは常識」とされています。
実際、たんぱく質不足を補い筋肥大を助けたりする以外にも空腹を満たしたり、良質な睡眠へ導いたりと様々な効能が期待されるため、
「とりあえずプロテインを飲んでおけば安心」という感じがしますよね。
その通り、プロテインはとても優秀なサプリメントであることは間違いありません。
しかし!
そんな優秀なプロテインでも飲み方を間違えると、その効果を充分に発揮できないんです…。
今回は「無駄になってしまうプロテインの飲み方」についてご説明していこうと思います。
1.一回の分量が不適切
…プロテインに限らず、全ての栄養素には適量というものがあります。
少な過ぎても当然効果は得られませんし、かといって大量に飲めば良いというものではありません。
2009年、カナダのトロント大学にてプロテインの摂取量と筋合成率の関係性を調べる実験が行われました。※2
ウエイトトレーニングを4ヶ月以上継続している男性を対象に、トレーニング後にプロテインを
A.なし
B.5g
C.10g
D.20g
E.40g
と摂取させ、それぞれの筋たんぱく質の合成率を調べたのです。
その結果、Dの20gが一番効率が良かった、ということが判ったそうです。
ちなみにDの2倍量にあたるEは、Dよりもやや数値は上回ったものの、他のABCとDを比べた際は倍、またはそれ以上の上昇率だったにも関わらず、上昇幅の差は少なかったのです。
「2倍摂取したから効果も2倍」というわけではないのですね。
市販のプロテインを見ると、一回の使用量が15gとなっているものがありますが、それではたんぱく質摂取が足りていない可能性があります。
プロテインを摂取する際は20g以上を目安に摂るようにしましょう。
(ちなみに24/7Workout オリジナルプロテインは一回につき28gを推奨しています)
2.飲んだ直後に横になる
…思い返してみると、これは私が夏のトレーニング時にやりがちだったことです(笑)
外で運動し、ヘトヘトになって帰宅、取りあえず冷たいプロテインを一気飲みしてそのままバタッと寝転んでいたことがありました(笑)
しかしこれは良くない飲み方でした。
2017年、国際スポーツ栄養学会の実験にて20代男性被験者8名を対象に
A.座った状態
B.仰臥位(ぎょうがい:仰向け)
でプロテインを摂取させ、血中アミノ酸濃度と吸収速度を調べました。※3
その結果、仰向けで寝転がったグループの吸収率が悪かったのです。
ですので、プロテインを飲んですぐ横になるのはオススメできません。
ここまで聞いてあなたは「でも、就寝前のプロテインが良いとどこかで聞いたような…」と思ったかもしれませんね。
寝る前にプロテインを飲むことで筋合成率が上がる、という論文も確かにあります。
そして、この研究発表でも「では寝るどのくらい前なら飲んでもいいのか」ということにも言及しています。
それによるとプロテインを摂取してから60分後には血中のアミノ酸濃度が上がってくるので、それ以降であれば横になっても問題ない、ということでした。
トレーニング後に疲れて横になりたい…という場合でも、プロテインを飲んだ後は1時間は空けるようにしましょう。
3.プロテインしか飲まない
…冒頭でたんぱく質について「三大栄養素の中でも特に重要」と述べました。
しかし、だからといって他のたんぱく源(肉魚卵や大豆製品など)や、いわゆる「食事」を全く摂らず、プロテインしか飲まないというのは良くありません。
なぜなら、プロテイン単体ではたんぱく質の分解がされず、吸収できないからです。
たんぱく質の分解にはプロテアーゼといった酵素や、ビタミンB6といった栄養素が必要になります。
さらに色々な食材・様々なたんぱく質源からたんぱく質を摂取することにより、筋合成の効率が上がっていくのです。
「プロテインさえ飲めばたんぱく質摂取はばっちり」と考えるのは早合点と言えるでしょう。
また、これはプロテインに限った話ではないのですが、同じ食品を摂り続けるという行為には危険性があるのです。
たとえば「遅延型食物アレルギー」というものがあります。
これは、毎日同じ物を食べ続けることで腸に抗体ができ、 これによってアレルギーが発症する、といったものです。
ですから、どんなに身体に良いとされるものでも、それだけを摂取し続けることは避け、多種類の食材をバランス良く摂るように心がけましょう。
いかがだったでしょうか?
本来、プロテインはあなたのボディメイク・ダイエットを強力に助けるものです。
どうせ飲むなら効果的に摂取したいですよね。
今回ご紹介したNGな飲み方を避けつつ、上手に取り入れていきましょう。
それでは、また。
ありがとうございました。
-井出 夕子
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【引用・参考文献】
※1 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所.”栄養摂取状況調査 たんぱく質摂取量”.
https://www.nibiohn.go.jp/eiken/kenkounippon21/download_files/keinen_henka/eiyou/02.xlsx
※2 MOORE, Daniel R., et al. Ingested protein dose response of muscle and albumin protein synthesis after resistance exercise in young men. The American journal of clinical nutrition, 2009, 89.1: 161-168.
※3 JÄGER, Ralf, et al. International society of sports nutrition position stand: protein and exercise. Journal of the International Society of Sports Nutrition, 2017, 14: 1-25.