From:吉田 将司
こんにちは、吉田です。
ボディメイクを始めて少しずつ成果が出始めた時に注意しなければならないのが、ケガと体調不良です。
トレーニングに身体が慣れて、張り切って強度を上げたら身体を痛めてしまったり、頑張りすぎて疲労を溜めて体調を崩してしまったりする場合があります。
24/7Workoutではプロのトレーナーがついているので、ケガや体調不良になるリスクはかなり低いですが、
自分一人でのトレーニングや日常生活の中で、こういったアクシデントに遭遇することもあるでしょう。
もし、ケガや体調不良になった時は、思い切ってしっかり休んでください。
「やっとついてきた筋肉が落ちちゃう」と不安になるかもしれませんが、ちょっと休んだとしてもこれまでの努力が無駄になることはありません。
なぜなら…
人間のカラダには「マッスルメモリー」と呼ばれる、トレーニング中止前の筋肉の状態にすぐ戻れる仕組みが備わっているからです。※1※2
■マッスルメモリーの仕組みとは?
マッスルメモリーが起こる理由は、DNAを含む「細胞核」が関係しています。
トレーニングによって筋肉が刺激されることで、筋肉の細胞1つ1つの体積が大きくなって筋肥大を起こします。
しかし、筋肉の細胞も無限に大きくなれるわけではありません。
限界まで大きくなった筋肉は、細胞核を2つに増殖して細胞を分裂させ、分裂した細胞がまた大きくなることで筋肥大を継続します。
ケガや体調不良でトレーニングを休むと、細胞は肥大化をやめて小さくなってしまいますが、増殖した細胞の数は長期間減ることはありません。※3
そのため、トレーニングを再開して筋肉が刺激を受けると、すぐに細胞が肥大化して元の身体に戻ることができます。
また、マッスルメモリーにはトレーニングを中断する前の筋肉よりも、さらに強い筋肉を作ろうとする効果があります。
ある実験では7週間トレーニングを継続して、7週間休んだのちに同じトレーニングを再び7週間継続して、意図的にマッスルメモリーを起こしました。
その結果、トレーニングを再開すると短期間で元の大きさに戻れただけでなく、トレーニングを再開して7週間後には、中断前よりも筋肉がさらに大きくなりました。※2
つまり、効率良く筋肉を大きくする場合に限って「定期的な休養」も必要と言えるでしょう。
(ダイエットを目的とする場合は、個人差はありますが平均的に週1~2ペースでのトレーニングの継続が必要です)
ただ、1つ注意していただきたいのは、マッスルメモリーを発動させるにはある程度のトレーニングを継続していることが大前提です。
先程紹介した実験では、トレーニングを7週間(約2ヶ月)継続していますし、身体の細胞が入れ替わるには一般的に3ヶ月はかかると言われています。
そのため、マッスルメモリーを発動させるためには、数ヶ月単位でのトレーニングの継続が必要です。
■焦らず休む勇気
休むことの重要性を頭で理解できたとしても、
「休んだらこれまでの努力が無駄になっちゃう」
「夏までに身体を仕上げたいのに、このままじゃ間に合わない」
と、不安や焦りを感じることがあるでしょう。
特にまじめな性格だと、体の回復を待たずにトレーニングを再開してしまいがちです。
しかし、ケガの痛みや体調不良を我慢してトレーニングすると別の部位を痛めたり、症状を悪化させたりする可能性があるので、絶対にやめましょう。
私も学生の頃に体調不良を我慢してスポーツを続けた結果、身体を壊して入院することになり、完治するまで半年以上も時間がかかりました。
ボディメイクでかっこいい、美しい身体を目指しているにも関わらず、自分自身で身体を壊してしまっては本末転倒です。
「短期間で結果を出す」という強い決意も大切ですが、「焦らず休む勇気」も重要です。
もしも何かしらの理由でトレーニングを中断することになったとしても、これまで積み上げてきたあなたの努力がすべて無駄になることはありません。
またトレーニングを再開すれば、マッスルメモリーの効果でより大きな筋肉が身につくでしょう。
今回の内容が、あなたのボディメイクに少しでも役立てば幸いです。
それでは、また。
ありがとうございました。
-吉田 将司
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【引用・参考文献】
※1 TURNER, Daniel C.; SEABORNE, Robert A.; SHARPLES, Adam P. Comparative transcriptome and methylome analysis in human skeletal muscle anabolism, hypertrophy and epigenetic memory. Scientific reports, 2019, 9.1: 4251.
※2 SEABORNE, Robert A., et al. Human skeletal muscle possesses an epigenetic memory of hypertrophy. Scientific reports, 2018, 8.1: 1898.
※3 BRUUSGAARD, Jo C., et al. Myonuclei acquired by overload exercise precede hypertrophy and are not lost on detraining. Proceedings of the National Academy of Sciences, 2010, 107.34: 15111-15116.