ダイエット中はいろいろな悩みを抱えている人も多いはず。
なかでも、深刻な問題といえるのがリバウンドです。リバウンドを起こすと、これまでのダイエットが無意味になるどころか、ダイエット前よりもかえって体重が増えてしまいます。
ダイエットを成功させるためにも、絶対に避けたいのがリバウンドなのです。
そこで、このコラムではリバウンドをするのはなぜか、リバウンドしないためにはどうすればよいかなど、リバウンドを事前に防ぐために知っておきたい知識を紹介します。
ダイエット前よりも太る!?リバウンドとは
リバウンドとは、ダイエット後に体重がダイエット前、またはそれ以上に増えてしまう現象を指します。このリバウンドはダイエット経験者の多くが体験している現象です。
特に体重を急に減らしたときに起こりやすいとされています。ダイエッターにとって、これまでの努力を帳消しにしてしまうリバウンドは恐ろしい現象です。
ダイエットそのものを挫折してしまう原因にもなりますし、人によってはもう一度体重を減らそうとするあまり、ダイエットとリバウンドを繰り返す悪循環にはまる恐れもあります。
せっかく痩せたとしても、すぐに体重や体脂肪率が元に戻ってしまっては意味がありませんよね。本当の意味でダイエットに成功するためには、リバウンドを防止することがとても大切なのです。
どんどん痩せづらく!ダイエットのリバウンドが怖い理由
現在ダイエット中の人のなかには「リバウンドしてもまたダイエットすればいいや」と、リバウンドを軽く考えている人もいるかもしれません。しかし、そう簡単な問題ではないのがリバウンドの恐ろしさです。
リバウンドを起こした身体は、ダイエット前の身体とは大きく中身が変わっています。
そのため、前と同じような感覚でダイエットできるとは限らないのです。ここでは、ダイエットのリバウンドによる具体的なデメリットを紹介します。
痩せにくい体質になる
リバウンドで増えた体重はほとんどが脂肪です。
逆に、筋肉量は1回目のダイエット前よりも減ってしまっています。つまり、同じ体重でも体脂肪量が多く、筋肉が少ない状態になっているということです。
身体の筋肉量は基礎代謝と密接な関係があり、筋肉量が多いほど基礎代謝が高くなります。逆に、筋肉量が減ると基礎代謝も減少します。
つまり、リバウンド前とリバウンド後では同じ体重でも基礎代謝が落ち込み、以前よりも痩せにくい体質になってしまうのです。そのため、以前と同じダイエットで体重を落とすのが難しくなってしまいます。
健康に問題が出てくる可能性がある
リバウンドを繰り返すことは、健康状態にも悪影響を与えます。
リバウンドを何度も繰り返すと、糖尿病や高血圧といった生活習慣病になるリスクが上がるというデータもあるのです。
さらに、リバウンドというのは筋肉が減り、ダイエット前よりも体脂肪の量が増えた状態です。体重を支える筋肉が減ってしまった分、膝や腰の痛みといったトラブルも起きやすくなります。
ダイエットでリバウンドが起きる4つの原因
ダイエットでリバウンドが起きてしまう原因はいくつも存在しています。そこで、この段落ではリバウンドが起きてしまう主な原因を4つ紹介し、それぞれ詳しく解説していきます。
ホメオスタシスの働き
リバウンドの原因の1つは、人間の身体に備わったホメオスタシスという機能によるものです。人間の身体には、体重などを一定の状態に保とうとするホメオスタシス機能が備わっています。
ダイエットで急激に体重を落とそうとした場合にも、このホメオスタシス機能が働きます。減った食事の量に合わせてエネルギー量を減少させ、体重を落とさないように働きかけるのです。ダイエットで停滞期が起きるのも、このホメオスタシス機能によるものです。
また、もし痩せるのに成功できたとしても、以前の太った状態に戻ろうとする傾向がしばらく続くことになります。
レプチン量の減少
ダイエットによるレプチン量の減少もリバウンドの原因です。レプチンとは、脳の満腹中枢を刺激する物質のことです。十分なレプチンを分泌させることで、初めて満腹が得られます。
しかし、ダイエットで食事制限をしているとこのレプチンの量が減ってきます。
一度減ったレプチンが元の量に戻るまでには、約1カ月の時間が必要です。
この期間中はダイエット前と同じものを食べていても満腹感を得づらく、いつも以上に食べすぎてしまいやすくなります。その結果、リバウンドを引き起こしてしまうことになるのです。
基礎代謝の低下
筋肉の減少に伴う基礎代謝の低下もリバウンドの原因になります。1日の消費カロリーの大半は基礎代謝が占めていますが、基礎代謝を上げる上で欠かせないのが筋肉の存在です。
実は、筋肉量と基礎代謝は比例する傾向があり、筋肉量が多いほど同じ生活をしていても太りづらくなります。
しかし、食べないダイエットでは身体のエネルギー源として筋肉が使われて、筋肉量が減っていってしまいます。
その結果ダイエット前よりも基礎代謝量が低下して、太りやすくなってしまうのです。
ダイエット後の生活習慣
人によってはダイエット後の生活習慣が原因でリバウンドしてしまう可能性もあります。
そもそも太ってしまうのは、普段の食事内容や食べる時間帯に問題がある、運動不足であるといった生活習慣に原因があるケースが多いです。
ダイエット後に運動をやめてしまう、暴飲暴食してしまうなど、ダイエット前の悪い生活習慣に戻ってしまえば当然太ってしまいます。
ダイエットは一時的なイベントではありません。ダイエットに成功したからといって、元の不健康な生活に戻っていいというわけではないのです。ダイエットの目的の1つは、健康的な生活習慣を身につけること。それがダイエットの成功、およびリバウンド防止につながります。
リバウンドしやすい危険なダイエットの3つの特徴
リバウンドを防ぐためには、正しいやり方でダイエットをすることが大切です。間違ったダイエットはリバウンドのリスクを上げてしまいます。
ここでは、リバウンドが起きやすい危険なダイエットの特徴を3つ紹介します。
栄養不足で飢餓状態に
危ないダイエットの代表例の1つは、食事制限だけで痩せようとするダイエットです。
運動をまったくせず、カロリー制限や断食、置き換えといった食事制限だけで痩せようとすると、ダイエット後にリバウンドしやすくなっていまいます。カロリーや栄養素が不足すると筋肉が落ち、代謝が下がってしまいます。
さらに飢餓状態になることで、どか食いしやすくなったり、かえって脂肪を溜め込みやすくなったりするのです。
ハードな食事制限ほど一生継続するのは難しいものです。しかし、食事制限のみでダイエットした場合、体質そのものが太りやすいものに変わってしまっています。
したがって、ダイエットが終わったからといって食事制限をやめてしまうと、少ない食事量でも太ってしまうことになるのです。
筋肉量が低下して代謝ダウン
健康的なダイエットには運動が不可欠ですが、実はダイエットするなら運動の中身にも気をつける必要があります。
運動は運動でも筋トレをせず、有酸素運動に偏ったダイエットをするとリバウンドの原因になってしまうのです。
ダイエット中はよけいな体脂肪をエネルギーに変えるために、
消費カロリー>摂取カロリー
の状態を維持する必要があります。
しかし、こうした状態では脂肪だけではなく、エネルギー源として筋肉も消費されやすくなるのです。
また、脂肪を燃やすなら有酸素運動が効果的と考えている人もいるかもしれませんが、実は有酸素運動は脂肪と一緒に筋肉も分解してしまいます。
筋肉量と基礎代謝量は比例するため、有酸素運動だけしかやらないダイエットは結果的に痩せづらい体質を作ってしまいます。
リバウンドを防ぐためには、筋トレで筋肉に刺激を与えつつ、なるべく筋肉を落とさないようなダイエットをするのが理想です。
短期間の大幅減量で太りやすい体質に
短期間で大幅に痩せようとすることもリバウンドの原因になります。こうした無理なダイエットでリバウンドが起きてしまう理由は、次の3つです。
1つは、ホメオスタシスの影響によるものです。先ほど説明したホメオスタシスの関係で、大幅に減量するとダイエット後に体重が元に戻りやすくなります。
2つ目は筋肉量が減ってしまう可能性が高いことです。短期間で行うダイエットは、断食、ハードすぎる運動など内容が厳しくなってしまいがちです。それに伴い、筋肉もエネルギー源として消費されやすく、筋肉量の低下を招きます。
3つ目はストレスです。ハードなダイエット生活は筋肉を減らすだけでなく、ダイエットの大敵であるストレスを溜めることにもつながります。その結果、どか食いする、お酒に走るなどリバウンドを招くような行動を招きやすくなるのです。
リバウンドしないダイエットの5つのポイント
リバウンドを防ぐためには正しいダイエットの知識を身に着け、無理のない減量を行うことが大切です。ここでは、ダイエット後にリバウンドしないために守るべきダイエットのポイントを5つ紹介します。
筋肉を落とさない
まずは、筋肉を落とさないことです。リバウンドの原因となる基礎代謝の低下を予防するためにも、ダイエット中は筋肉を落とさないように気をつける必要があります。筋トレを積極的に行い、筋肉量の維持につとめましょう。
また、筋肉を落とさないためには適切な食事管理も大切です。たとえば、消費カロリーに対して摂取カロリーを極端に少なくするとエネルギー不足から筋肉が分解されやすくなってしまいます。断食や極端なカロリー制限のような過激な食事制限は避けるべきです。
さらに、筋肉の材料になるタンパク質が不足しないよう、栄養バランスにも気を配りましょう。
ダイエット後も油断しない
ダイエット後も油断せず、規則正しい生活や節制を心がけることも大事です。太ってしまう原因というのは、慢性的なカロリーオーバーや睡眠不足など、毎日の生活習慣にあるケースが大半です。
ダイエット中は食べるものや運動、睡眠などに気をつけているという人も多いかもしれません。
しかし、痩せたからといって、太っていたときの生活習慣に戻ってしまうとリバウンドしてしまいます。ダイエットをきっかけに生活習慣が改善できたのなら、それをダイエット後も維持していきましょう。
ストレスを溜めない
ストレスを溜めないようにすることもリバウンド防止に役立ちます。ストレスによる自律神経の乱れは過食や代謝の低下を招くほか、ダイエットが挫折する大きな原因にもなります。特に、体重がなかなか減少しない停滞期にストレスを強く感じてしまうと、ダイエットそのものを挫折してしまい、そのままリバウンドするという流れになりがちです。
ダイエットでストレスを溜めてしまうのは、体重を落とそうとしてつい頑張りすぎてしまうからです。体重計の数字だけにこだわらないなど、ダイエット中はストイックになりすぎないよう気をつける必要があります。
極端なダイエットをしない
リバウンドしないためには、極端なダイエットをしないこと大切です。断食など極端なダイエットは一生続けられませんし、ストレスも溜まります。
ダイエットに成功する秘訣は短期間のイベントにするのではなく、気長に継続することです。無理なく続けられ、習慣化できる方法を見つけることが、リバウンドを防ぐコツといえます。
ゆっくりと痩せる
急激に痩せようとしないこともリバウンド防止に役立ちます。健康的に痩せるためには、1カ月あたり現在の体重の5%以内のペースで体重を落としていくとよいといわれています。これ以上のハイペースで体重を落としてしまうと筋肉が減りやすく、脂肪と一緒に大量の筋肉まで減ってしまうリスクが出てきます。
無理のないゆるやかな減量を行うことで、ホメオスタシスの発動や筋肉の減少を最低限に抑え、リバウンドしづらいダイエットができます。
リバウンドしないで健康的に痩せる!おすすめのダイエットメニュー
リバウンドしづらいダイエットをしたいなら、適度な運動と食事改善を組み合わせた王道のダイエットがおすすめです。そこで、以下の段落では運動・食事それぞれの側面から具体的な実践のポイントを紹介していきます。
運動編
ダイエット中の運動メニューについては、筋トレを積極的に取り入れるべきです。筋肉を落とさないためにも、ハードな筋トレを必ず行うようにしましょう。
おすすめは、スクワットなど大きな筋肉を使う種目です。負荷については1セット10回×3セットできるくらいが目安となります。ただ筋トレ初心者の場合、いきなり「筋トレを頑張れ」と言われても何から手をつけていいのかわからない人もいるかもしれません。そうした人は、最初のうちはパーソナルトレーナーについてメニューを組んでもらうのもよいでしょう。正しいフォームも身につくので、けがの予防にもなります。
もし、有酸素運動を取り入れるのであれば筋トレのあとに20~30分行うのがおすすめです。筋トレ後は脂肪が燃えやすい状態になっているため、短時間の有酸素運動でも効率よく脂肪が燃焼してくれるといわれています。ただし、有酸素運動はやりすぎると筋肉が減ってしまいます。長時間のハードな有酸素運動は避けるようにしましょう。
食事編
ダイエット中の食事については、カロリーのコントロールと栄養バランスが大切です。
まずは、基礎代謝や活動量から1日に必要なカロリーを計算し、その範囲内で食事をとるように心がけてみてください。日常的なカロリーオーバーや逆に減らし過ぎには気をつけるようにしましょう。栄養バランスの面では、筋肉維持のために高タンパク質の食事を心がけます。
一方、糖質や脂質については「摂取し過ぎず減らし過ぎず」を意識して、ほどほどにとるようにしましょう。運動をハードにする場合、運動中のエネルギー源となる糖質の抜き過ぎはあまりおすすめできません。運動を頑張れるように適度に摂取しましょう。
また、脂肪を燃やすためにはホルモンなどの材料となる脂質も必要です。魚やオリーブオイルといった良質のオイルを総摂取カロリーの15~20パーセントくらいを目安に摂取していきましょう。
リバウンド防止には正しい知識が必須!ダイエットの専門家にも相談してみよう
リバウンドしづらいダイエットをするためには、正確な知識が必要です。食事管理と運動を正しい方向で行うことが、リバウンドの危険性を減らすことにつながります。
もし自己流のダイエットで失敗した経験がある、ダイエットの進め方に自信がないという人は、パーソナルトレーニングジムでプロのアドバイスを受けてみるのもよいでしょう。
トレーニングのフォームなど独学では難しいことも、きちんと教えてもらえるのでおすすめです。