「ジムでのダイエットって実際どうなんだろう?」
あなたもそう思ったことがあるかもしれない。また、「本当に痩せられるのか?」とも思っているかもしれない。
けれど、ジムはダイエットを短期間で成功させるための、最高の環境であると思う。それは、私自身が、3ヵ月間ジムに通い適切な運動と食事をしただけで、-15kgのダイエットに成功したからである。
記事の中で改めて自己紹介させてもらうが、当時の私は44歳(男)、体重は身長166.5㎝、体重77㎏。社会人になってから約20年以上はまともに運動しておらず、ビールやお菓子を長年食べ飲みし続けてきた。その結果、おなか周りにはびっしりと脂肪が蓄積されてしまっていた。そんな私でも、たった3ヵ月間で体重を約15kg落とすことに成功した。
そこでこの記事では、私が3ヵ月間にわたって行ってきた、ジムでのダイエットメニューを紹介したいと思う。特別なメニューではなく、誰にでもできるものだ。男性だろうが女性だろうができるメニューであると思うし、年齢や今現在の体力も関係ないと思う。
ダイエットに成功すると、本当に日常が変わる。
服のサイズが落ちて着る服が変わることはもちろん、自分に自信が持てるようになり、不思議と性格も明るくなる。女性であれば、かわいい水着を着て夏を満喫することだってできるだろう。周囲の目を気にすることがなくなるし、好きなものを好きなだけ食べても気にならなくなる。それでいて健康状態を維持できるし、更に私の場合、知らない女性から声をかけられるようにもなった。
そしてそれは、誰にでも可能なのだ。もしあなたがジムでのダイエットを考えているのなら、参考にしていただけると幸いである。
はじめに【ビフォーアフター】
まずはじめに、私のダイエット結果をお伝えする。この結果を見れば、あなたにも「ジムでダイエットすれば痩せられる」と思ってもらえるはずだ。
それではさっそくお伝えしよう。ダイエット開始時の私の体型は、以下のとおりである。
体重:77kg
体脂肪率:24%
ウエスト:95cm
※自宅で撮ったものなので、背景は塗りつぶしてある。
そして約3ヵ月間、ジムでダイエットをした私の体型は、以下の通りだ。
体重:61.95kg
体脂肪率:8.7%
ウエスト:73.0cm
・体重-15.05kg
・体脂肪率-15.3%
・ウエスト-22.0cm
※実はこの後も通っており、最大で体脂肪率7.9%まで落ちた。
※単位はkg。
※単位は%。
※単位はcm。
私が3ヵ月間やってきたジムでのダイエットメニューは、次の3つ。
・食事管理
・筋トレ
・有酸素運動
これだけだ。ちなみに先に言っておくが、私が通ったジムはスポーツジムではなく、今話題のマンツーマンのパーソナルダイエットジムだ。週に約2日、ダイエットジムに通い、専属のトレーナーと二人三脚でトレーニングを行っていった。
「なんだ、自分ひとりでやったわけじゃないのか」と思うかもしれないが、私がやってきたトレーニングメニューは誰にでもできる内容だ。これからジムでダイエットをしようとしているのなら参考にしていただけると思う。
さらに補足しておくと、私はダイエットや肉体改造に夢中になってしまい、途中からかなりストイックにメニューをこなしている。ただそこまでしなくてもダイエットはできるので、「これを完璧にやらなきゃいけないのか・・・」と重く考えないでいただければ幸いである。
私は、20年以上運動してこなかった。家では酒を飲み、大好きなプリングルスを毎日食べ、パンケーキやチーズケーキもたくさん食べていた、典型的なデブだった。
外に出るのが嫌で、家でPS3ばっかりやっていた、そんなダラダラした性格だった。
しかしそんな私でもできた。
それではさっそく、私がやってきたダイエットメニューをお伝えしていこう。
ジムでのダイエットメニュー【食事管理編】
食事管理で最も大切なものは何かといわれたら、「糖質の過剰摂取を控える」ということだ。糖質は三大栄養素の一つであるが、過剰に摂取すると脂肪増加の原因となってしまう。だから、糖質は以下に示す量より多く摂らないように意識していた。
そのほか、気をつけていたことといったら次の3つだ。
タンパク質を1日体重(kg)×2~3g摂る
糖質を制限するだけだと、エネルギー不足が生じて筋分解が起こってしまう。それを防ぐために、タンパク質は以下に示す量を摂るように意識していた。
タンパク質をしっかりと摂取することで、より筋肉が作られるようになる。筋肉量をアップさせることは代謝を高めることにつながり、より痩せやすく、そして太りにくい体を作ることができると言われている。
私の場合、主なタンパク源は鶏肉とプロテインだった。
脂質を1日体重(kg)×1~1.5g摂る
ダイエット効果を高めるためにも、脂質をしっかりと摂るようにしていた。その目安の量は以下の通り。
脂質と聞くとダイエットの敵のように思われるが、実はダイエットには欠かせないものであるようだ。なぜなら脂質が不足すると、便秘になったり、体調を崩す可能性があるためだ。
脂質というのは、栄養素を体中に届ける役割も持っている。たとえばビタミンの中には脂溶性のものがあり、脂があってはじめて体内にビタミンが巡らされる。体調不良はダイエットの大敵、なので脂質を1日適量摂るようにしていた。
塩分は摂りすぎない
そして塩分の摂りすぎに注意していた。塩分を摂ると体重が落ちにくくなってしまうと言われている。ちなみに2016年現在、厚生労働省は1日の塩分摂取量の目安を以下のように定めている。
・成人男性 1日8.0g未満
・成人女性 1日7.0g未満
出典:「日本人の食事摂取基準(2015年版)」(厚生労働省)(https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000041824.html)
塩分の取り過ぎは健康にも良くないので、極力摂らないように意識して食事をしていた。
以上が食事管理についてである。これを3ヵ月間、毎日行っていくことが理想的だ。とはいっても、私は誘惑に負けてしまい、3ヵ月間毎日完璧に食事できていたわけではない。ただ、この食事管理のルールを常に頭に入れて、食事をするようにしていた。
それでは次に、ジムでどんな筋トレをしていたのかをお伝えする。
ジムでのダイエットメニュー【筋トレ編】
ジムでの筋トレは、主に以下のトレーニングを行っていった。
・スクワット
・ベンチプレス
・クランチ(腹筋)
・ダンベルフライ
・インクラインプレス
・バーベルアームカール
・ダンベルアームカール
・フレンチプレス
・ラットプルダウン
・シーテッドロウ
・ベントオーバーロウ
もちろん、1日で全種目やるわけではない。体の調子や筋肉痛の有無などによって、ベンチプレス中心の上半身メニューをこなしたり、スクワット中心の下半身メニューをこなす日もあった。またここにはあげていないが、筋肉のつき方や体調などを見て、別のトレーニングをすることもあった。
筋トレがダイエットに良い理由を改めてお伝えすると、筋トレをすることで筋肉量がアップし、同時に基礎代謝量もアップするからである。
基礎代謝量とは、普段私たちが生活する上で自然と消費するエネルギー量のことだ。分かりやすく言うと、消費カロリー量である。基礎代謝量が高ければ高いほど消費カロリーが高くなるので、痩せやすく、リバウンドしにくい体になる。
この基礎代謝量は筋肉量に比例するので、筋トレで筋肉量をアップさせることはダイエットに効果的、というわけだ。
ちなみに、筋トレは同じ部位を毎日やらない方が良い、というのはすでにご存知かもしれない。筋肉は、トレーニングで痛めつけて回復することで、さらに大きくなっていくからだ。なので、筋肉痛が残っている時はその部位を避け、別の部位を鍛えられるメニューをこなしていた。
負荷は、その時の自分の限界まで耐えられる負荷で行っていった。なので、いきなり誰もかれもがベンチプレス50kgから始める、なんてことはない。ただ負荷が軽すぎても意味がない。自分がギリギリ耐えられる重量でやってくことが重要だ。
※トレーニングの方法によっては軽い重量で数をこなすこともある。ただ、「どんな方法が最適なのか?」と考えるのは、ボディビルダーのような本格的なカラダを 目指す人だけで良いと感じている。私のようにダイエット目的であれば、とりあえず自分が耐えられる負荷でトレーニングするようなレベルでも問題ない。
以下、トレーニングをする際のポイントをお伝えするので参考にしてみて欲しい。
スクワット
鍛えられる部位
・下半身全体
・体幹部
注意点
・足幅は肩幅かやや広めで行う
・つま先は膝と同じ向きで行う
・股関節を前傾にして、背中が丸くならないように注意する
・顔はしっかり前を向き顔が下がらないようにする
ベンチプレス
鍛えられる部位
・大胸筋
・上腕三頭筋
・三角筋
注意点
・5点(両足、お尻、肩甲骨、頭)がしっかり着いていることを意識する
・肩甲骨を寄せて軽くブリッジを作る(胸を張る)
・肩は下ろして胸のトップの真横に自然に手が来るようにする
・手首が反らないように手根にバーをしっかり乗せる
・肘は張らずに自然な位置で行う
・手幅は肘間接90°~110°くらいに開く
クランチ(腹筋)
鍛えられる部位
・腹直筋
注意点
・股間接90°屈曲させる。股間接が伸展すると腹直筋が上手く機能しない
・背丸め自分のおへそを見るように体を起こす
・起こすときに息を吐く
・下りるときは全て下りきらず肩甲骨が触れるくらいで切り返す
ダンベルフライ
鍛えられる部位
主動筋:大胸筋
補助筋:三角筋前部
注意点
・肩より下に肘が降りないようにする
・肘は90°を維持したまま動作を行う
・フィニッシュはダンベルが肩の上に来るようにする
インクラインプレス
鍛えられる部位
主動筋:大胸筋
補助筋:上腕三頭筋、三角筋前部
注意点
・バーを下ろす位置は、鎖骨の上
・胸椎を進展、肩甲骨を下制内転、骨盤を前傾させ、ブリッヂを作る
・手首から肘が床と垂直になるように動作を行う
バーベルアームカール
主に鍛えられる部位
・上腕二頭筋
・上腕筋
・腕橈骨筋
注意点
・膝は若干曲げ肩幅くらいかやや広い目にバーを握る
・バーベルを上げやすくするため上体の反動を使わない
・肘が大幅に外側を向いて体側から離れない
・下降動作の最後肘を曲げた状態で下さない(可動域を小さくする)
・大腿部で跳ね上げて動作を容易にしない
ダンベルアームカール
主に鍛えられる部位
・上腕二頭筋
・上腕筋
・腕橈骨筋
注意点
・やや前傾姿勢でスタートポジションを取る
・ダンベルのグリップは掌が上になるようにして行う
・上げやすくするため上体の反動や回旋を使わない(特に肘関節90°付近)
・肘を前に出したり体を反らずなるべく体側に肘は固定する
・手首を曲げると前腕の筋群が動員されやすい
フレンチプレス
主に鍛えられる部位
・上腕三頭筋
注意点
・バーを握る際には肩幅よりやや狭めに持つ(ダンベルの際はプレートの内側)
・肘をしっかり固定して行い前後にずらしたり開いたりはしない
・伸展時に腰を反らせない
・下げるときに頭が前方に動いてしまわないように固定する
ラットプルダウン
主に鍛えられる部位
・広背筋
・大円筋
・菱形筋
・三角筋後部
注意点
・肩幅より広めにバーを握るグリップの際は親指を外すもしくは小指側を意識して握る
・腕だけで引かず肩甲骨の下制(肩を下げる動き)を使う
・バーを引く際に背中が丸まらないようにする
・肘が後方に行かないようケーブルを真下へ引き込む(鎖骨あたりに引き込む)
・肩がすくまないように、軽く胸を張り、肩甲骨を寄せる
シーテッドロウイング
主に鍛えられる部位
・広背筋
・大円筋
・菱形筋
・三角筋後部
注意点
・開始姿勢は背部の筋群をストレッチさせて、膝は伸ばしきらず軽く曲げておく
・腕の巻き上げ動作だけで上げずに肩甲骨を寄せる(胸を張る)
・上半身が丸まって反り過ぎないように、自然なS字もしくは軽い前傾を保つ
・ハンドルを引き付けたらスピードをコントロールし開始姿勢に戻る(急に戻さない)
・肘を外に向けず体側の近くを通るようにイメージする
ベントオーバーロウ
主に鍛えられる部位
・広背筋
・大円筋
・菱形筋
・三角筋後部
注意点
・上体の反動や肩をすくめる動きをなるべく抑える
・体幹や脚を伸ばすように反動をつけ上げない
・バーベルカールのように腕や手の巻き上げ動作で上げない
・エクササイズ中に背中が丸まらない、胸を軽く張って背中の緊張を保つ
・肘を外に向けず体側の近くを通るようにイメージする
以上、ジムで私が主にやっていた筋トレを紹介した。メニュー作りの参考にしていただければ幸いである。
もしあなたが「筋トレで筋肉ムキムキにならないか心配…」と思っているのなら安心してもらいたい。女性と男性とでは、筋肉のつき方が違う。女性はよほどのことがな いかぎり、筋肉ムキムキになることはない。ボディビルダーのような体型ではなく、ダンサーやモデルといった体型を目指すことができる。
ジムでのダイエットメニュー【有酸素運動編】
ジムでは有酸素運動として、エアロバイクを次の2つのタイミングで漕いでいた。
・筋トレ前の5~10分間
・筋トレ後の10~15分間
筋トレ前にバイクを漕ぐのは、体を温めるため。そして筋トレ後にもバイクを漕ぐのは、脂肪を燃焼させるためだ。有酸素運動としては、エアロバイクを漕ぐことしかしていない。
以上、私が約3ヵ月間行っていた「食事」と「筋トレ」そして「有酸素運動」についてお伝えした。あらためてポイントをまとめてみよう。
・タンパク質、脂質をしっかりと摂る
・塩分も極力避ける
・筋トレは週に約2日
・負荷は、その時の自分が耐えられる限界ぎりぎりで行う
・筋肉痛が残っている時は、別の部位を鍛える
・筋トレの前後で有酸素運動を行う
ざっくりいうとこんな感じである。
ただ、本当にこれだけで痩せられるのか?もしかしたらまだ信じきれないかもしれないので、これから私の実体験を以下に記していこうと思う。ただ結果だけを書いてもつまらないと思ったので、少々物語風にしてある。付き合っていただければ幸いである。
きっとここに書いてあることが「事実」だと信じてもらえると思う。
44歳男がジムでダイエットをして、-15㎏達成した体験録
「ダイエットジムに通ってみませんか?」
この一言がすべての始まりだった。
改めて自己紹介しよう。私は坂本英雄。埼玉県加須市出身の44歳。お酒が好きで、甘いものも好きで、休日はゲームをして引きこもりがちになる、普通のおっさんである。
私は建築業の現場監督として働いていたのだが、とあるダイエットジムの店舗開発に携わっていたこともあり、そこで知り合ったジムのトレーナーから、ジムに来ないかと誘いを受けたのだ。
当時の私は身長166.5cm、体重77kg。数字だけを見れば私よりも体重が多い人もたくさんいるかもしれないが、私は私なりに自分の体重を気にしていた。
↑東京大仏にて。一見そんな太って見えないかもしれないが、脱いだらすごかったのである。
というのも、昔の私は自分の体に自信を持っていたからだ。私は学生の頃、器械体操の選手として活躍していた。バク転やバク宙などお手の物。そしてしなやかで強靭な肉体を持っていた私は、自信に満ちあふれていた。
しかし社会人になり、会社にもまれ、酒のうまさを知り、次第に運動とは疎遠になっていた。運動しなければ太るのは当たり前で、私の体には徐々に脂肪がついていった。40歳を過ぎたころはひどかった。土日は1日中家から出ず、PS3のデビルメイクライ4をプレイしている日もあった。ダンテのようなカッコいい男になりたい、、、と思ったのはここだけの秘密。
運動をしない日々を20年以上も続けていたおかげで、私の腹回りにはびっしりと脂肪がこびりついていたのだった。体に自信が持てなければ、自分の存在にも自信が持てなくなってしまうものだ。
そんな私を見かねてなのか分からないが、知り合ったジムのトレーナーが「ダイエットしてみませんか?」と誘ってきたのである。
正直、迷った。運動は長いことしていないし、いまさらダイエットなんてしても意味がないという気持ちがあったからである。しかし、このトレーナーがすごかった。私のテンションを高めようと、ダイエットや肉体改造のすばらしさを延々と語ってきたのだ。
「年齢は関係ありません、20代でも60代以上でもダイエットはできます」
「性別だって関係ありません」
「今の生活習慣も関係ないですよ、習慣は変えられます」
「僕らはパーソナルダイエットジムなので、一人ひとりの体力に合わせて指導します」
「はい、トレーナーとお客様のマンツーマンです」
「あ、運動不足の方でも大丈夫ですよ、しっかりサポートするので」
「完全個室なので、人目を気にせずダイエットできます」
「体が痩せる仕組みやメカニズムは、基本的にみんな同じです」
「食事と運動で、健康的に痩せられるんですよ」
トレーナーは止まらない。
「今の食事ってどんな感じですか?」
「ああ、甘いもの好きでも大丈夫ですよ、僕らも食べてますから」
「食事を抜いて痩せるわけではないんですよ」
「しっかり食べて栄養摂るので、健康的に痩せられます」
「中性脂肪や内臓脂肪も落ちますね」
「あー、お酒好きなんですね。大丈夫です、お酒飲めます。もちろんタイミングがありますが」
「体型が変わって、ものすごく前向きになった方もいますよ」
「着る服も変わりますし、生活だって変わります」
「もちろん無理強いはしません、ただ坂本さん、痩せたらすごく変わると思うので」
怒涛のラッシュだった。おそらく、77kgの私の体型は、ジムのトレーナーにとって「肉体改造のし甲斐があるベストな体型」なのだろう。私よりもこのトレーナーのほうが目が輝いていた。しかし、どうしても気が進まず、いや、やっぱり私はやめておきます、と言いかけたその時、トレーナーは私の心を揺るがせるような発言をしたのである。
「モテますよ」
人はいくつになっても異性の目を気にしてしまうものだ。それがサガというものだろう。たったその一言で、私の気持ちが揺らいでしまった。それまで私の脳の中の小人たちは「ジムに通う必要なんてないない」と言っていたのだが、モテるという言葉を聞いた瞬間、「ジム通おうぜ、坂本!」という意見にコロッと変わったのである。
そして私の脳みそは、私がジムに通うことを想像し始めた。そうだな、もし私がジムに通って、ダイエット、つまりこの体にこびりついた脂肪をそぎ落として、学生時代の肉体美を取り戻せたのなら、、、
現場で一緒に働いている若い衆たちや、いつもよくしてくれている取引先、新宿2丁目のオカマバーのいつもの店員、そして家族、、、みんなが見返してくれるかもしれない。昔のように自分に自信を持って、毎日過ごせるかもしれない。そんなことが脳裏をよぎったのだ。
「まあ、そこまでいうなら通ってみます」
私はあっさりとジムに通うことを承諾していた。山の天気が変わりやすいように、人の気持ちというものも簡単に変わるものなのだ。ジムのトレーナーも目をいっそう輝かせて、一緒にがんばりましょう!と固い握手をしたのだった。
とはいっても私は、まあ、せいぜい5kg痩せればいいだろう、くらいに軽く考えていた。ちょっと痩せればもっとポテチを食べても大丈夫だろう、そんな腑抜けたことを考えていた。
しかし、これから始まる3ヵ月間のダイエットジムでの肉体改造は、私の想像をはるかに超えるものだったのである。
ジムでのダイエット、初日
2015年9月8日。現場の仕事を終わらせ、東京の池袋にあるジムへ向かう。このときの気分は浮かれるわけでもなく、かといってナイーブになるわけでもなく、普段の日常と変わらないフラットな気分だったと思う。人生が変わる日というのは、いたって普通の日常から始まるものなのだろう。
ちなみに私が通ったダイエットジムは、スポーツジムではなく、今話題の完全個室のプライベートダイエットジムである。トレーナーとマンツーマンでトレーニングを行い、二人三脚で理想の体を目指すというものだ。トレーナーと一緒に行うので、ダイエットをサボりがちな人にうってつけ、というわけだ。
話を戻そう。私がジムに着くと、まずはトレーナーからジムでの注意点や肉体改造のメカニズム、食事の仕方についての説明を1時間ほど受けた。なるほど、脂肪を落とすのはどうやら食事がカギになっているらしい。そして身体測定をして、体重や体脂肪率、ウエストの数字を図った。当時の私の体型は以下のとおりである。
体重:77kg
体脂肪率:24%
ウエスト:95cm
「今の体型をしっかりと目に焼き付けておいてくださいね!」
「あと2ヵ月から3ヵ月もすれば、別人になっていますから」
トレーナーがまた目を輝かせてそう言った。しかしこの時の私は、どちらかというと不安のほうが大きかった。なぜなら、自分の体を改めて鏡越しに見てみると、そこにはただのブタが映っていたからだ。
本当に体重が落ちて、このぽっこりを超えたでっぷりとしたお腹は変わるんだろうか。もう何十年もまともに運動なんてしていないのに。不安や疑心でいっぱいだった。
そんな私の不安をよそに、さっそくジムでの肉体改造プログラムがスタートした。いきなり激しい運動しても体を壊してしまうリスクがあるので、まずは体力確認といった形で、軽めの重量でベンチプレス、ダンベルフライといった上半身を鍛えるメニューを中心にこなしていく。
しかし軽めとはいえ、運動不足の44歳にはこたえるものがあった。息切れはするし、体力もないし、おまけに私はヘルニア持ちだ。果たして大丈夫かと思ったが、そこはさすがパーソナルトレーナー。私の体力をしっかりと観察して、危険がないように寄り添ってサポートしてくれる。
トレーナーのおかげでなんとかその日のメニューをこなした私は、へとへとになりながら帰路についた。しかしこれで終わりではない。トレーナーから受けた食事指導も守っていかなければいけないため、気が抜けなかった。
食事にも気をつけなければいけないな、という思いはあったものの、人間というのは本当に欲に弱い。帰りの途中で立ち寄ったコンビニで、私は大好きなプリングルスを買ってしまった。
「サワークリーム&オニオン味が最強に美味い」
「まあ、明日からちゃんとやればいいだろう」
典型的なデブの発想である。だらしないと思うかもしれないが、人間なんてそんなものだろう。しかし、そんな私でも3ヵ月後にはものすごい変化が現れた。その結果は後で話すとして、引き続き当時のことを振り返っていく。
ジムでのダイエット、21日目
2015年9月28日。いきなり20日間も飛んでしまって申し訳ない。写真を撮っていなかったのだ。ジムに通う前こそ乗り気だった私だが、通い始めの頃は「本当に続くのだろうか…」といった不安がやはり大きく、写真を撮る気にならなかった。
しかし面白いもので、通っていくうちに少しずつ変化が実感できるようになると、下がりかけていたモチベーションが一気に上がってきたのだ。そのときの私の体型は以下のとおりである。
体重:70.90kg(開始から-6.1kg)
体脂肪率:19.5%(開始から-4.5%)
ウエスト:85.5cm(開始から-9.5cm)
始めて一週間はジムでのトレーニングによる筋肉痛に悩まされていたが、20日目となると体も慣れてきた。ベンチプレスやスクワットも負荷を上げてこなせるようになり、その結果が数字に表れてきている。
5kg痩せればいいだろう、、、という私の軽い目標はあっさりとクリアしてしまった。するとより高い目標を目指したくなるもので、次は大台のマイナス10kgが目標となった。
そのためには日々、どのような食事をして、どのようなトレーニングをすれば、消費カロリーや摂取カロリーの関係から目標を達成できるか、、、といったように、トレーナーが科学的根拠を元にプログラムを再構築してくれた。
顔周りはすっきりし始めているが、まだ見た目の大きな変化は見られない。これは序章に過ぎないのだ。
ジムでのダイエット、31日目
2015年10月8日。ジムに通い始めて31日目になる。この頃になると、自分でも体の変化がハッキリとわかるようになっていた。顔周りはすっきりしてきたし、二重あごもほとんど目立たない。おなか周りだってすっきりして、ウエストが締まってきた。この時点でウエストはマイナス14.5cmである。
今まで来ていた服の大きさがあわなくなったので、この頃からサイズの小さい服を買うようになっていった。そして体型は以下のとおりである。
体重:69.60kg(開始から-7.40kg)
体脂肪率:17.5%(開始から-6.5%)
ウエスト:80.5cm(開始から-14.5cm)
正直、私はこの時点で十分満足していた。70kg台を切れただけでも、私からしてみれば飛び跳ねたくなるくらいうれしかったのだ。山の頂上まで登りきった感じで、すでに私には満足感があふれていた。これで思う存分プリングルスを食べられる、そんなことが一瞬脳裏をよぎった。だが、さすがトレーナー、こんなところで終わりませんよと言った顔で、私に次のように話してきたのだ。
「次の目標はマイナス10kgですからね、引き続き気合を入れていきましょう!」
そう、私はまだ山登りの途中なのだ。
ジムでのダイエット、食生活について
ここで、私がジムに通っている間、どんなものを食べていたのかを軽く振り返りたい。やはりダイエットや肉体改造をするからには、何でもバクバク食べていいわけはない。体作りに必要な栄養素を摂ったうえで、かつ痩せるための食事をすることが重要になる。
先ほどもお伝えしたが、例えば糖質は摂りすぎないようにしていた。なぜなら、糖質が脂肪の原因になるからだ。ただ、糖質は筋肉を発達させる重要な役割も持つ。なので、トレーニングの前後はアンパンや干し芋、バナナを食べて糖質を摂取するなど、食べるタイミングに注意していた。
トレーナーもよく筋トレ前後でバナナを食べるという。
他には、たんぱく質を摂取すること。たんぱく質を摂取することで、筋肉作りの効率を高めるのである。ダイエットには筋肉が必要不可欠だ。なぜなら、基礎代謝と筋肉量は比例する関係にあるからである。なので、たんぱく質も欠かさず毎日摂取した。鶏肉、コンビニのサラダチキン、プロテインが主な摂取源である。
というように、食事の管理をしていたわけだが、決して食事を抜いていたわけではない。これは私も知らなかったことなのだが、ダイエットにはむしろ1日5~6回分けて食べたほうがいいらしい。空腹時間が長ければ長いほど、リバウンドしやすくなるからである。だから私は、脂肪の原因となる糖質を意識しつつも、毎日3食、お腹が空かないように適度に間食する、といった食事をしていた。
居酒屋にも行った。ビールこそ避けるようにしていたが、ハイボールや焼酎など、糖質が低いお酒を飲んでいた。私は根っからのお酒好きである。病気の時も飲んでいたくらい、大がつくほどのお酒好きだ。お酒のない生活なんて考えられない(後にそのお酒を断つことになるのだが)。
今だから言える話だが、ジムに通って1ヵ月くらいの間、トレーナーに黙ってこっそりプリングルスを夜な夜な食べていた。大好きなのだからしょうがないだろう。私は弱い人間なのだ。ただ前向きにとらえれば、私はプリングルスを食べていたおかげで余計なストレスを溜めず、ジム通いを続けてこれたのかもしれない。
とにかく言いたいことは、厳しい食事制限はせず、朝昼晩しっかり食べて、それでも約1ヵ月でマイナス7.4kg達成できたということである。
ただ欲を言うと、さらに食事管理を徹底すれば、私の体はまだまだ痩せられる伸びしろがあったということだ。そこで31日以降は、より食事を意識しつつ、ジムに通うことになる。その結果、まさかあそこまで体型が変わるとは、このときは想像もしていなかったのだった。
ジムでのダイエット、39日目
2015年10月16日。ついに体脂肪率がマイナス10%を超えた。写真だと分かりづらいかもしれないが、おなか周りの贅肉はだいぶ取れてきている。この日はベンチプレス70kgを上げたのだが、筋肉も順調についてきている。
体重:68.70kg(開始から-8.30kg)
体脂肪率:13.9%(開始から-10.1%)
ウエスト:80.0cm(開始から-15.0cm)
そして確かこの頃だったと思うが、今まででは考えられないようなことがおきた。ヘルニア持ちだったが、腰の痛みが消えていたのだ。私は先程も言ったようにヘルニアもちで、コルセットがなければ歩けないくらいだった。ジムに通い始める前は、腰をさらに悪くしてしまうのではないかという懸念があったのだが、なんと、逆にヘルニアが治ってしまうとは思わなかった。
肉体改造に励むことで、体や骨が本来あるべき状態に戻り、その結果ヘルニアが治ったのだろうか。正直、ダイエットとは関係なしに、腰の痛みが消えただけでもこのダイエットジムに通ってよかったと心から思っている。まともに歩けないのは本当につらかったからだ。
このことがきっかけとなり、私のモチベーションはさらに高まっていった。プリングルスを買うこともなくなっていったのだった。
ジムでのダイエット、49日目
2015年10月26日。注目してほしいのは、私の腹筋だ。あのぶよぶよだったお腹に、うっすらと腹筋のラインが見えてきている。まだまだ落とせる脂肪はあるが、自分でも良い体になってきたと感じてきた。鏡を見る回数が増え、風呂上りは鏡の前でボディビルダーのようなポーズすることも増えてきた。筋トレあるあるなのだろう。
体重:67.10kg(開始から-9.90kg)
体脂肪率:14.0%(開始から-10.0%)
ウエスト:79.0cm(開始から-16.0cm)
この頃になると、周囲も変わり始めてきた。あれは、会社のエレベーターに乗っているときだったと思う。
「あれ、坂本さん、痩せました?」
今までまったく話したことがない女性から声をかけられたのである。正直ドキドキした。それ以外にも、仕事でお世話になっている取引先や、現場の仲間たちからも変わったと言われる回数が格段に増えてきた。こちらとしては照れるのであるが、当然悪い気はしない。
自分の体型が変わったことで、話す人の範囲まで広がった。人は人に影響されて人生が変わっていくとはよく言ったものだが、なるほど、肉体改造で人生が変わると言われるのも納得だ。ジムに通うことがより楽しくなった瞬間であった。
ジムでのダイエット、58日目
2015年11月4日。私はついにやった。体重マイナス10kgを達成したのだ。とにかく、私の体の変化を見てほしい。
体重:66.80kg(開始から-10.20kg)
体脂肪率:15.3%(開始から-8.7%)
ウエスト:79.0cm(開始から-16.0cm)
実際に体重計に乗って、数字として体重の減りを実感できると、思わず笑顔がこぼれてしまった。ジムに通ってよかった、ジムに通うことを選んだ自分は間違っていなかった、そう確信したものだ。
マイナス10kgというと、ダイエッターの大きな目標となる数字だろう。普通の人であれば、10kg痩せたら満足し、これで目標達成だとダイエットを終了してもなんらおかしくはない。私も満足感に浸っており、一区切りついたような感覚だったのだが、もちろんこれで終わるわけがない。担当のトレーナーは、驚愕の一言を放ったのだった。
「坂本さん、良い調子です。じゃあ次は体脂肪率一ケタを目指しましょう!」
このセリフを笑顔で言うものだから、トレーナーとは恐ろしい存在である。もちろん今まで痩せられたのもトレーナーのおかげではあるが、このときだけは鬼に見えたものだ。しかし私はあいにく、断れない人間だ。トレーナーに言われるままに、体脂肪率一ケタを目指すことになった。
そこから私は肉体改造を徹底するために、20年以上飲み続けてきたお酒を一時的に禁酒し、大好きなプリングルスも食べるのをやめて、さらなる食事管理をしていくのだった。
ジムでのダイエット、70日目
2015年11月16日。私は悩んでいた。体脂肪がなかなか落ちないのだ。食事は徹底している。ジムでのトレーニングも、より負荷を高めてこなしている。しかし、数字に表れてこない。
体重:66.55kg(開始から-10.45kg)
体脂肪率:15.7%(開始から-8.3%)
ウエスト:78.0cm(開始から-17.0cm)
疑問を感じていたことは事実だ。しかし、そんなときでもやはりトレーナーは私を気遣い、モチベーションを上げてくれる。
「大丈夫です、坂本さん。体重や体脂肪率は、その日のコンディションや前日食べたもの、また水分量などによっても変わります。また、肉体改造に体が一時的に慣れてしまい、数字の伸びが悪くなることも決して珍しいことではありません。」
トレーナーは続ける。
「ここで諦めてしまうと今までの努力が台無しになってしまいます。大丈夫ですよ、ベンチプレスも以前より重量、回数ともに上げられるようになってきていますし。健康的にも全く問題ありません。悪い方に考えるとストレスになりますから、引き続き一緒にトレーニングしていきましょう」
何とかトレーナーに支えられつつ、私は帰路についた。確かに、自分の体が変化している実感はある。帰り道の途中でコンビニに行っても、もうプリングルスのサワークリーム&オニオン味は目に入ってこない。精神的にも成長している証拠だ。
私はトレーナーの言うことを信じて、もう少しだけ頑張ってみることにした。ここまで来たんだ、やれるだけやってみようと。もう少し頑張れば、本当に人生が大きく変わるかもしれない。そんなことをぼんやりと考えていたように思う。
正直、不安が大きかったのは事実だ。しかし、その不安はすぐに払しょくされたのだった。
ジムでのダイエット、78日目
2015年11月24日。いつものようにジムに通い、いつものように体重測定を行う。そこで私は自分自身の変化に驚きを隠せなかった。以下の写真を見てもらいたい。
体重:64.35kg(開始から-12.65kg)
体脂肪率:11.5%(開始から-12.5%)
ウエスト:77.0cm(開始から-18.0cm)
なんと、これまで15%付近で推移していた体脂肪率が、11.5%まで落ちてきたのである。遂に大台の一ケタが見えてきた。
慣性の法則は人の心にも働くようで、一度火がついた私の「肉体改造魂」はさらにギアを加速させていた。これならいける、確信した瞬間だった。食事もトレーニングも、アスリート並みに徹底してやろう、そんなチャレンジ精神が私の中に芽生えていた。
しかし世の中そうはうまくいかないもので、どうやら成功というのは一直線にはいかないらしい。私はまた悩まされることになる。
ジムでのダイエット、86日目
2015年12月2日。焦りが出てきた。体脂肪率が落ちなくなってきた。体脂肪や体重というのはその日のコンディションや食事、水分量で変わるのだが、12月2日に計った体脂肪率は、、、
体重:64.40kg(開始から-12.60kg)
体脂肪率:13.1%(開始から-10.9%)
ウエスト:75.0cm(開始から-20.0cm)
13.1%だった。6日前に比べ、1.6%も体脂肪率が増えてしまっていたのだ。そんな私の焦りを悟ったのか、トレーナーは次のように声をかけてくれた。
「体脂肪率一ケタになると、本当に自分に自信が持てるようになります。ここまででも坂本さんは十分、常人以上の結果を出されています。ただ、健康状態も良いし、筋肉量も良い。体脂肪率一ケタを目指すことは十分に可能です」
私は数字を追い求めるようになっていた。これまで20年以上、だらけてきた自分から生まれ変わりたかったのかもしれない。体脂肪率を一ケタにすることが出来れば、何か人生も大きく変わるような、本当にそんな気がしていたのだ。
こんなところで負けていられない。私はここから、更に本気を出すことになるのだった。
救世主、登場
とはいっても、このままのペースだと、一ケタを切ることは難しい。だからといって、トレーニングの負荷を極端に上げてしまうと、体を壊してしまうリスクがある。
体を壊してしまったら元も子もない。そこでトレーナーと相談し、私は「食事」をさらに徹底することにした。その救世主となったのが、こいつである。
そう、ブロッコリーだ。ブロッコリーは脂肪の元になる「糖質」が低く、かつ栄養素が高い。いわば肉体改造の強力な味方だ。私は体脂肪率一ケタを目指す切り札として、このブロッコリーにすべてをかけた。
そう、食事のメインをブロッコリーにしたのである。ゆでて、そのまま食べる。ボディビルダーの食事と同じだ。あとは鶏肉と、ゆで卵。もちろん塩はふらない。誤解しないように言っておくと、私が通っていたダイエットジムは、普通はここまでストイックなことはしない。ストレスなく、そして理想の体型を目指すために、ストイック過ぎる食事制限は一切しないことをポリシーとして掲げている。
しかし、私はなんとしても体脂肪率一ケタを目指したかった。だから、お腹がすいたらブロッコリーを食べる、これを徹底したのだ。最終決戦の火蓋は切って落とされた。
ジムでのダイエット、92日目
12月8日。体のラインが分かる写真じゃなくて申し訳ない。しかし、ついに体脂肪率一ケタが見えてきた。私はもう、止まらなかった。
体重:61.90kg(開始から-15.10kg)
体脂肪率:10.1%(開始から-13.9%)
ウエスト:73.0cm(開始から-22.0cm)
出来ることはすべてやった。飲みの誘いは断ってきた。大好きだったお酒を断った。プリングルスだって食べていない。食べるのはもっぱらブロッコリーと鶏肉、そしてゆで卵だ。塩分だって極力摂らないようにしてきた。トレーニングも自分の体に鞭を打ち、とにかく「体脂肪率一ケタ」という目標だけを見て、生活してきた。
もちろん一人ではここまでこれなかったと思う。私のことを気遣い、叱咤激励してくれたトレーナー、応援してくれた現場のみんな、飲み仲間、新宿2丁目のオカマバーの店員、そして家族、、、私がこれまで関わってきた人たちがいたからこそ、この3ヵ月間、ダイエットジムでの肉体改造、いや人生改造をしてこれたのだ。
そして、ついに私は自分自身の限界を超えることになる、、、
ジムでのダイエット、95日目
2015年12月11日。見て欲しい、この体。私は体脂肪率一ケタを達成した。ここまできたら自分で自分を褒めても良いように思う。努力のたまものだ。
体重:61.95kg(開始から-15.05kg)
体脂肪率:8.7%(開始から-15.3%)
ウエスト:73.0cm(開始から-22.0cm)
この数字は、約25年前に器械体操をしていた学生時代の時と同じ数字だ。そう、私は20年以上かけてこびりついた脂肪をそぎ落とし、約25年前の肉体と自信を取り戻したのである。
自分の体は、本気になれば3ヵ月で変えることが出来ることを体験した。体型が変われば、服も変わるし、考え方も変わるし、気分も変わる。人との接し方も変わるし、以前よりも間違いなく前向きに物事を捉えられるようになっていた。まるで別人に生まれ変わった、そんな気持ちさえした。
私は、人は死なない限り生まれ変われないと思っていた。しかし、体を変えれば、人は変わることが出来るのだ。それを証明した自分を褒め称えたい。
さて、ここからは私が実際にジムでのトレーニングで感じたことをお伝えしていく。参考にしてもらえれば幸いである。
ジムでのダイエット、辛かったこと
体脂肪率一ケタは達成したが、もちろん辛いこともあった。何が一番つらかったかというと、私の場合食事ではなく、回数制限を設けていないベンチプレスだった。
ジムでのベンチプレスは10回で終わり、とかではなくて、今持ち上げられる重さで限界まで上げて、そしたら次は少し軽めの重さでまた限界まで上げて、それでも力尽きたらさらに軽めの重さにしてまた限界まで上げて、、、というトレーニングをしていた。これが一番きつかった。吐くかと思った。実際吐いた。
もちろん、トレーニングは身体に負荷をかけなければ意味がない。だからこそこの肉体が手に入ったと感じている。一人では到底無理だったが、トレーナーが隣で叱咤激励してくれるので最後までやり抜くことが出来たのだと思う。
ジムでのダイエット、楽しかったこと
やはり鏡で自分の姿を見て変わっていくのが楽しかった。今までは鏡に映る醜い自分を見ないようにしていたが、自ら鏡の前に立ち、自分の身体を毎日見るようになったのは言うまでもない。また、体重計に乗るたびに体重や体脂肪などの数値もどんどん変わっていき、その過程を見るのも楽しかった。
また、人の反応を見るのも楽しかった。私が肉体改造をしていることを知らない知人に久しぶりに会った時、私のことが分からなかったようで、私の顔を4度見されたこともある。現場の仲間たち飲んでいる時、私の肉体を披露した時の反応も楽しかった。みんな目を丸くして「マジすか!?スゲー坂本さん!」と驚いてくれた。
私の肉体改造をきっかけに、会話の幅も広がっていった。とにかく、人と接することが今まで以上に楽しくなったと感じている。
ジムでのダイエット、通う前と後の変化
まず、着る服が変わった。今までは体型を隠すためにだぼついた大きいサイズの服を着ることが多かった。ただ身体が締まってくると、ライダースジャケットやタイトなジーンズなど、スリム系の服を着るようになったのが大きな変化である。Tシャツやインナーもサイズが落ちて、身体のラインが出る服ばかりを買うようになった。
また、積極的に外に出歩くようにもなった。太っていた頃は、たとえば休日に食材を買いこんで、休日はずっと家にこもってPS3のデビルメイクライ4をするという生活を送っていたが、体型に自信がついたからなのか、自然と外出が増えていった。
体型が変わったことで、生活スタイルまでもが変わったのだ。
最後に一言
通う前と後で、決定的に違うことがもう一つあった。それは、朝ご飯をしっかりと食べるようになったということだ。太っていた時は、朝ご飯を抜いていた。
今では、むしろ太っていた頃よりも食べている。大好きなスイーツをもっとたくさん食べるようにもなった。プリングルス、パンケーキ、チーズケーキ、アイス、アンパン、和菓子、、、今では週に5回以上は食べている。ただそれくらい食べても、リバウンドの気配がまったく感じられない。
お酒飲んで、スイーツ食べてもリバウンドしていない。
もちろん、暴飲暴食をずっと続けていれば身体の仕組み的に太ることは明白だ。なので、一応、今でも食事には気を使っているし(スイーツ食べているが)、トレーニングも習慣づけている。
このジムでの経験を通して、自分の身体をコントロールする方法を身に付けたので、万が一リバウンドしたとしても自分で戻せる自信がある。
他には、、、腰の痛みが消えたことは先ほど話したが、アトピーも治ったのは驚いた。寒い時期は洋服の内側の繊維が肌に引っかかってかゆかったのだが、それが無くなったのだ。肉体改造とは、体型だけでなく、体の内側から変えてくれるものだと知った。
私は、20年以上運動していない、典型的なデブだった。しかし、肉体改造に励むことで、体型だけではなく生活も変わった。長い長い人生の中の、たった3ヵ月間での出来事だ。
もしあなたも自分の体型で悩んでいるのなら、ダイエットや肉体改造を3ヶ月間で良いので挑戦してもらいたい。いや、3ヵ月もいらない。1ヵ月でマイナス7.4kg達成していたし、2ヵ月後にはマイナス10kg以上達成していたのだから。
まとめ
何度もお伝えしてきたが、私は20年以上も運動しておらず、お酒を毎日のように飲み、そして大好きなお菓子を大量に食べてきた、典型的なデブだった。
しかし、長い人生の中の経った3ヵ月間、ジムでダイエットに取り組んだ結果、マイナス16kgを達成することが出来た。
途中、かなりストイックにこなしているが、そこまでしなくても、体重を落とすことは十分に可能だ(あまり厳しくしなかった1ヵ月目ですら、7kg以上体重が落ちている)。
もしあなたも以前の私と同じように運動不足であったり、お酒やお菓子が大好きだったり、あまり外に出歩かない、どちらかというと怠け者のタイプであっても、きっと結果は出せると思う。
ダイエットは最高だ。人生をかけて取り組む価値がある。今は心からそう思っている。私の体験が、あなたの役に立つことができるなら幸いである。
※最後に…結果には個人差があり、誰でも同様の結果が出せるとは限らないことをお伝えしておく。