糖質制限は正しく実践すれば、早くて開始1週間程度から体重が落ち始めていきます。が、実践しても中々効果が感じられない人も多いようです。いつから効果が出るのか…もしかしたら自分は間違ったやり方をしているのかもしれないと不安があるかもしれません。
繰り返しますが、糖質制限を正しく行えば、開始1週間程度で体重は落ち始めます。その後、個人差はありますが緩やかに体重が落ちていきます。

※糖質制限で体重が落ちていくイメージ
しかし、食事の仕方が間違っていると、いつまでたっても体重がなかなか落ちなかったり、停滞してしまったり、効果が実感できないこともあります。
そこでこの記事では、糖質制限の効果を最大化させるための食事法を4つお伝えします。ポイントは、「糖質の摂取量」、「たんぱく質の摂取量」、「脂質の摂取量」、「食事回数」です。
この4つの食事法を今日からでも実践してもらえれば、たとえ今効果が感じられなかったとしても、一週間以内に体重が落ちていく効果を実感できるはずです。理想は4つ全てを実践することですが、まずは出来ることからでよいので実践してみて下さい。
糖質制限ダイエットの効果を高める4つの食事法
糖質制限ダイエットというと、糖質量のことばかり考えてしまうかもしれません。しかし、実際は糖質量だけでなくそれ以外の食事も考える必要があります。なので、糖質制限ダイエットの効果を高める「1日の糖質摂取量」「1日のたんぱく質摂取量」「1日の脂質摂取量」「1日の食事回数」の4つの食事法を紹介していきます。
1日の糖質の摂取量
まずは糖質制限の基本とも言える、糖質の摂取量を確認しておきましょう。糖質制限の効果を最大化させるための、1日の糖質摂取量の目安は次の通りです。
ex)体重60kgの方であれば1日60g以内。
糖質を過剰摂取すると肥満の増加につながります。しかし、1日体重×1g以内であれば摂取しても問題ありません。
ただそれ以上摂ってしまうと、余った糖質が脂肪に変わってしまい、中々体重が落ちていかない…という状況になることもあります。自己流でやっている方は糖質を余計に摂っているケースもあるので、この目安量を守っていきましょう。
1日の糖質摂取量をオーバーしないためにも、どんな食材に、どれだけ糖質が含まれているのかを把握しておくことが大切です。この記事の5章と6章で食品リストを記載していますので、食事の際の参考にしてみてください。
糖質は朝食時に摂ると、さらに糖質制限ダイエットの効果をアップさせることが出来ます。詳しくは『糖質制限の効果を最大化させる朝食時の5つのポイント』をあわせて読んでみてください。
1日のたんぱく質の摂取量
糖質制限中は糖質だけじゃなく、たんぱく質量も大切です。1日に摂取したいたんぱく質量は次の通りです。
ex)体重60kgの方であれば1日60g~90g。
たんぱく質を摂取する理由は、筋分解を起こさせないためです。糖質制限中は、どうしても糖質が不足しがちになります。糖質は本来、私たちが生きていくうえでのエネルギーになります。しかし、そのエネルギーが不足すると私たちは生活に支障をきたすので、筋肉を分解して糖質を作りだそうとする働きが起こります。この過程で筋肉が落ちてしまいます。
筋肉が落ちると、基礎代謝も落ちます。基礎代謝が落ちると、1日に消費できるカロリー量が減るので、痩せにくく太りやすい体になります。つまり、リバウンドしやすい状態になってしまいます。
それを防ぐためにも、筋肉の元になるたんぱく質を摂取することが大切です。以下、糖質が少なくてたんぱく質を多く含む食品をリストアップするので参考にしてみてください。
| 食品名 | 糖質量 | たんぱく質量 |
| サラダチキン100g | 約0.3g | 約23g |
| 卵(1個) | 約0.6g | 約6g |
| まぐろ100g | 約0.1g | 約26g |
| さんま100g | 約0.1g | 約25g |
ただ、純粋に食事だけでたんぱく質を取ろうとすると大変なので、プロテインの摂取がオススメです。ものによりますが、プロテインは1杯たんぱく質20gくらいです。体重60kgの人であれば、1日3回プロテインを飲むだけでたんぱく質を十分に摂取できます。
プロテインというと「マッチョ」のイメージがありますが、プロテインは日本語訳でたんぱく質という意味です。たんぱく質は、私たちの筋肉だけでなく肌や髪の毛、骨や 血管の元となる栄養素です。体にとって重要な三大栄養素なので、むしろ日常的にプロテインを飲むことはダイエットにも健康によいことです。肌や髪にハリ艶も良くなる効果 が期待できます。プロテインについて詳しく知りたい場合は「プロテインで痩せるために絶対に知っておきたい6つの知識」で詳しくお伝えしてますのでよかったら参考にしてみてください。
1日の脂質の摂取量
糖質制限の効果を最大化するために、脂質量も重要になってきます。1日の脂質量の目安は次の通りです。
ex)体重60kgの方であれば1日60g~90g。
なぜ脂質を摂るかというと、脂質が不足すると体の調子が悪くなることがあり、糖質制限ダイエットに支障をきたすことがあるからです。
私たちの体に必要なビタミンには、水溶性のものと脂溶性のものがあります。水溶性のビタミンは水に溶けて体中に運ばれますが、脂溶性のビタミンは「脂」にしか溶けません。脂質が不足するとビタミンが体中に廻らず、便秘になったり、体の調子が悪くなることがあります。
体調を崩すと糖質制限を続けるのが苦しくなるので、脂質もしっかりと摂取することが大切です。(参考)『糖質制限中に便秘かも?と思ったらするべき対策と解消方法』
ただ、脂質の過剰摂取も脂肪の増加につながるので注意が必要です。目安量を守っていきましょう。以下、糖質制限中にオススメの、糖質が低く脂質量の高い食品をリストアップします。こちらもあわせて参考にしてみてください。
| 食品名 | 糖質量 | 脂質 |
| ツナ缶(1缶) | 約0.2g | 約35g |
| 鶏肉100g | 約0g | 約13g |
| 豚肉100g | 約0.1g | 約35g |
| 牛肉100g | 約0.4g | 約24g |
1日の食事回数
糖質制限の効果を最大化させるためには、1日の食事回数を5~6回にしましょう。ここでいう食事回数は、何か食べ物を口にしたら1回とカウントします(間食のおやつやプロテインも1食とカウントします)。
食事回数を増やす理由は、血糖値を一定に保つためです。血糖値を一定に保つことで、脂肪増加を抑える効果が期待できます。なぜ血糖値を一定に保つと脂肪の増加を抑えられるのか?それは、血糖値が急上昇すると脂肪の増加につながるからです。

血糖値が急上昇すると、血中の糖は筋肉内に運ばれます。筋肉内に運ばれた糖は、私たちの運動エネルギーになります。しかし糖がたくさん筋肉内に運ばれると、エネルギーが消費しきれず、余ることがあります。余った糖はどうなるかというと、脂肪に変換されます。
では、どのような時に血糖値が急上昇するのかというと、空腹時に糖を摂った時です。
空腹時間が長くなると、私たちの体は飢餓状態になります。すると体は「生命の危険」を感じ、少ない食べ物からたくさんの栄養を吸収しようとします。つまり、ちょっと食べただけで血糖値が急上昇しやすい状態です。その状態で普段通りに食事をしてしまうと、糖質が余計に吸収され、血糖値も急上昇してしまいます。
つまり、空腹時間が長ければ長いほど、脂肪がつきやすい状態になります。その状態を避けるためにも、食事は1日5~6回に分けてとったほうが効果的です。
1日の食事回数を5~6回に増やす上で、一つ注意点があります。それは、1日の総カロリー量は増やしてはいけないということです。例えば、普段1日3食で1800カロリー摂っていたとしたら、1日5~6食にしても摂取するカロリーは1800です。
1日3食の時の食事量よりも食べる量もカロリーも増やしてしまうと、栄養の過剰摂取につながり、消化しきれない栄養素が脂肪に変わってしまいます。1日の総カロリーを変えず、小分けにして食事をしていきましょう。
ダイエット中にオススメの糖質量の少ない食品一覧リスト
糖質量の少ない食品をリストアップします。食事選びの参考にしてみてください。
| 肉類 | 100g中の糖質量 |
| ヒレ肉 | 約0.3g |
| 鶏ささみ | 約0g |
| 鶏胸肉皮なし | 約0g |
| 鹿肉 | 約0.5g |
| 馬肉 | 約0.3g |
| ラム肉 | 約0.1g |
| 砂肝 | 約0g |
| レバー | 約3.7g ※焼き鳥は塩で |
| 魚介類 | 100g中の糖質量 |
| クロカジキ | 約0.1g |
| たら | 約0.1g |
| えび | 約0.1g |
| カツオ | 約0.1g |
| まぐろ(赤身) | 約0.2g |
| くらげ | 約0g |
| かに | 約0.3g |
| いか | 約0.6g |
| たこ | 約0.1g |
| ホタテ | 約1.6g |
| あさり | 約0.4g |
| 野菜 | 100g中の糖質量 |
| 小松菜 | 約0.5g |
| ホウレンソウ | 約0.3g |
| ブロッコリー | 約0.6g |
| カリフラワー | 約2.1g |
| レタス | 約1.7g |
| キャベツ | 約3g |
| 白菜 | 約1.9g |
| きゅうり | 約1.9g |
| おくら | 約2g |
| なめこ | 約1.7g |
| しいたけ | 約1.5g |
| まいたけ | 約0g |
| エリンギ | 約2.7g |
| きくらげ | 約0g |
| マッシュルーム | 約0g |
| その他の食品 | 100g中の糖質量 |
| 豆乳(無調整) | 約1.8g |
| 納豆 | 約2.6g ※1パック50g |
| 豆腐 | 約1.7g |
| おから | 約2.6g |
| ノンオイルツナ | 約0.1g |
| こんにゃく | 約3g |
| わかめ | 約0.3g ※お味噌汁1杯 |
| 海苔 | 約1.3g ※1枚3g分 |
糖質制限ダイエット中は避けたい、糖質を多く含む食品一覧
次に、糖質制限中は避けたい、糖質を多く含む食品一覧をリストアップします。つい口にしてしまいそうな食品も実は糖質が高かったりします。軽くでも良いので目を通してみてください。
| 食品 | 100g中の糖質量 |
| おにぎり | 約39g |
| パン | 約50g |
| うどん | 約56g |
| そば | 約52g |
| カップヌードル | 約50~80g |
| パスタ | 約26g |
| 中華まん | 約40g |
| 餃子 | 約24g |
| タコ焼き | 約40g |
| ニンジン | 約6g |
| かぼちゃ | 約6g |
| トマト | 約3g |
| じゃがいも | 約16g |
| さつまいも | 約30g |
| とうもろこし | 約64g |
| なす | 約3g |
| たまねぎ | 約7.4g |
| 牛乳 | 約5g |
| 低脂肪乳 | 約6g |
| 魚肉ソーセージ | 約13g |
| ちくわ | 約14g |
| かまぼこ | 約10g |
| きなこ | 約14g |
| コーンフレーク | 約80g |
| フレンチドレッシング | 約6g |
| 和風ドレッシング | 約16g |
| みりん | 約43g |
| りんご | 約15g |
| みかん | 約12g |
| バナナ | 約23g |
| いちご | 約9g |
| オレンジジュース | 約10g |
| りんごジュース | 約11g |
以上が、糖質制限中の糖質量の多い食品と少ない食品になります。もっと糖質制限中に食べて良い食べ物を知りたい場合は「糖質制限時に食べていいもの、食べてはいけないものまとめ」に詳しく載せていますのでよかったら参考にしてみてください。
コラム:糖質制限の食事に困ったらコンビニがオススメ
コンビニには糖質制限の助けになる食品がたくさん売っています。たとえば、サラダチキン、おでん類、チーズ、魚類などがあります。具体的にどんなものがあるか知りたい場合は下記の記事を参考にしてみてください。
コラム2:糖質制限中に自炊をする場合
糖質制限を始めると食べる食材が限られてしまい、自炊をするのが難しいですよね。管理栄養士が考案した糖質制限レシピをたくさん載せた記事がありますのでよかったら参考にしてみてください。
糖質制限ダイエットをしていても効果を感じられない場合
ここまでお伝えした糖質制限のルールを守ってもなかなか痩せないってこともあるかもしれません。考えられる原因としては、「基礎代謝が低い」「糖質を摂りすぎている」などがあります。まずは、痩せない原因を知って正しい対処法を行っていきましょう。
詳しくは下記の記事を参考にしてください。
まとめ:糖質制限ダイエットは糖質を抑えるだけではダメです。
糖質制限はどうしても糖質だけに意識が向きがちです。しかし、糖質制限の効果を最大化するためにはたんぱく質や脂質の摂取量、そして食事回数も重要になってきます。
特に、腹筋の割れた体や、モデルのようなスタイルを目指すのであれば、たんぱく質は必ず摂取しましょう。糖質を制限する「だけ」だと、ただ体重が落ちて、不健康でやせ細った体型になることがあります。しっかりとたんぱく質を摂取することで筋肉が落ちにくくなるので、メリハリの利いた健康的なカラダ作りを目指せます。
⇒糖質を制限し、タンパク質や脂質を摂り、しっかりと食事をしてダイエット成功した例を見てみる
いきなり全てを完璧に実践することは難しいかもしれませんが、ぜひ、一つでも良いので実践してみてください。もしこれまで効果が実感出来ていなかったとしても、実践すれば1週間後には体の変化が感じられるはずです。














